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三つ揃えスーツ(ベスト編①)

こんにちは K です。

 

今回の更新は前回から引き続きスリーピーススーツ(三つ揃え)の続きです。

ベストの工業用パターンを引くところまで!

 

ベストというとジャケットなどと違い、安易であるという印象がつきやすいですが、私はそうでもないかと思います。なんといってもアームホールの形状のバランス、衿ぐり形状がなかなか…カタパットもはいりませんしね。

 

私が今読んでおりますテーラーの古い本でも、

 

「形の簡単なものほど、かえって仕事は難しいもので、アラがよく目立ちます。セゼロ、チョッキ、ズボンのうち、私にはチョッキの仕立てが一番難しい。※タスキがでなければツキが出る。ツキとタスキ両方出たものもある。急所といえば全体が急所だと思ってよろしい…」


と、書かれています。ははあ、やはりそうですねぇ…

タスキ も ツキ もシワの種類のことですが、どちらも主に首廻りによくでるシワです。

タスキジワはなで肩の方によく見られ、ツキジワはいかり肩に良く見られます。(絵型おいておきます)

大体の全体図は前回写真で上げたカタチになりますが、そこから少し微調整し、仕様をきめます。

微調整後↓

このときは右肩が重いもの持ってた後なので下がってますね…いけませんね反省(´д`、)

 

そして今回の縫製方法はテーラーの縫い方の一部を取り入れて、さらにオリジナルにアレンジを加えた方法にしようかと思います。

成功しても失敗しても、その原因と考察等のレポートをここにアップする予定ですのでお楽しみに、

 

テーラーの見栄えを既製服に何処までおとせるか…、できれば一般的な既製服との縫い方との比較で伝えられたらなとおもいます。

 

縫製方法の検討の末出来上がったパターンがコチラです。

 

アイロン操作によるくせ取りも少々おこなう予定です。

 

パターンを決定したので、さっそく現在裁断中です。次回は縫製ですね。

 

 

 

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6月トレンド講習(ワンピース)レポート

こんにちは K です。

夏が近づくのを感じさせるような気候になってきました、

そんな先週末にトレンド講習を行いました!

講習内容はワンピースで、担当はこの私…久しぶりの担当講義でキンチョーしまくりでした。(笑)

今回のワンピース講習は少しドレスよりのミニマルなデザインのワンピースドレスで汎用性が高そうな形にしました。

このワンピースの作図工程と理論を説明させて頂き、それと今回は「自分が作ってる時に何を考えながら作っているのか?」という事をお伝えすることをひとつの目的として講義しました。

 

自分が作ってる上でぶち当たった問題、それをどう考えて解決したか?何処を見ながら修正したのか?というところですね。そういう部分ってみんな知りたいところではないのだろうかと考えた結果でした。

経験があるからできるとか、分かってるとか、そういうのも部分的にはあるでしょうが、それが全てではないです。立体にして初めて気づいたり、作ってみてモノになってから気づくことのほうが多いです。問題の解消法にも悩むこともしょっちゅうです。(笑)

なので皆さんには恐れず沢山間違えて欲しいです。で、作図で悩むようなら、立体にして悩んだほうが近道であると個人的には思います。

 

それで、今回は軽くアンケートも取らせていただき、今回の授業の感想を聞きました。

皆さんご協力ありがとうございます!この意見をもとにもっと授業の質をあげていくようにします!

 

最も勉強になったと感じていただけた部分が、皆さん共通して変形袖の調節と展開いうことでした。

自分的には結構複雑な言い方をしていたのでちゃんと伝わったか不安があったのですが、こうやってお聞きしてその不安も解消できました。

と、同時にわかりづらかった部分にもが含まれていましたので、その辺はもう少し分かり易い伝え方を目指していこうと思います。

あとは縫い方や身頃展開でわからないことがあったようなので、それはまた授業中に確認して頂ければと思います。

 

それと何人か縫製を考えておらえれる方のために授業では触れなかった縫製の時の工程と気を付けるポイントをざっくりと説明しておきます。

授業でもお伝えしていました通り、さほど難しいところはありません。

基本的な工程は

①表の身頃をくっつける(上、下それぞれ)

②裏身頃にそれぞれ見返しをくっつける。

③裏地の見頃をつなげる。

④後裏地にファスナーをつけ、そのまま表地に縫い付ける。

※この時後ろ中心は背削りを入れたことによりカーブしているので、アイロンである程度クセとりを行って縫わないとファスナー周りにシワが発生する可能性があるが、ポリエステルのような動かない生地はその処理ができないのである程度シワが発生することがある。

↑今回はその対応に伸ばしながら縫製したがそれでも少しシワは残った(戻った)

⑤裏表の肩線を縫って襟ぐりを縫って合体させる。

⑥切り替えポケットと表の上下身頃を一気に縫って合体させる。

※生地によっては縫いズレに注意する。

⑦表裏裾を始末する。

⑧表袖のダーツ→袖下の順で縫い、裾を始末して袖を完成させる。

※この変形袖の止まりのダーツを縫うときは緩やかなカーブを描いているのでそのまま縫おうとすると非常に困難なので、クセ取りを行い、カーブ形状の地縫い線を直線に近い状態にするとまだ縫いやすいが、今回のように動かない生地はそれができないので、ほぼ直線のような状態で縫うことになった。

ダーツ分量もハリや厚みがある生地の場合、そのまま縫うと厚みに分量が持って行かれて袖山付近の立体の幅が不足し、肩にあたってくる可能性があるので、生地によってはダーツ分量を減らしたほうが良いだろう。

⑨裏地の袖も縫製し、中綴じを行い合体させる。

⑩付属品をつけて完成。

 

皆さん、ゼヒ作って形にしてみてください。

自分でラインをいじってみてもらっても良いですよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

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トレンド講習のキュロットパンツ縫製手順

こんにちは K です。

本日は先日トレンド講習で行ったキュロットの縫製工程をアップしようかと思いますので、これから縫製される方の参考になればと思います。では!

 

●まず裁断を行います。今回の生地はギャバジンです。デザインが多少フレア感が必要なデザインだったので、ドレープがでるタイプを探しました。見つかったのがちょっとポリウレタンが入っており、伸びる事を懸念しましたが、目が詰まっているので大丈夫かな?

ちょっと動きやすいので注意を払う必要があります。

 

①前ポケットつけ

まず前パーツのポケットを縫製していきます。

ポイントとしては袋布と前パーツを縫製し、袋布側をアイロンで片倒しするときは気持ち控えて表にでないようにする必要があります。ここのアイロンがけはバッチリ行いましょう!ポケットは前側の顔です!

ポケット口のステッチは基本コバですが、見栄えが大事!なので生地に合わせ、自分が安定して縫える幅を選択するのが正解だと思います。

ポケットの形ができたら脇線とウェスト線に仮止めして形が崩れないようにしましょう。

 

②前タック、プリーツ線をアイロンにてプレス

タックとプリーツ線は繋がらないので、注意です!

折った形状で仮縫いで止めておきます。

 

③後ろのダーツを縫い、ポケットを縫う。

フラップの大きさを揃えておくことで見栄えが良くなるのと私は考えてますので、こういう時は必ず厚紙でゲージを作るようにしてます。ひと手間で楽に綺麗につくれますよ。

で、今回は自分で気持ち裏地を小さくして縫い、控えやすいようにしました。先に縫い代を処理しておけば後々形つくりやすいですよね。

本体に玉縁作って挟み込んだ状態でおとしミシンかけます。このとき、左右対称になるよう重ね合わせて確認してから縫うといいでしょう。(確認大事!)

 

④脇線を縫う。

それぞれロックミシンをかけてから地縫いし、割ります。

※生地が厚いとポケットの所を割るのが一苦労ですが、しっかり割りましょう。

 

⑤裾を織り上げてロックをかける。

このとき、生地だれなどが発生していないか、仮組みなどしてチェックをするといいでしょう。

 

⑥まつりあげる。

 

最後でもいいのですが、今回はこの手順で

 

⑦股下の縫製

強度をあげるため、二度縫いします。

ファスナー止まりまで縫い、できたら割っておきましょう。

 

⑧裏地を右と左で完成させ、股下は縫わずにおいておく。

股下にロックミシンをかけておく。

 

⑨前あきファスナーを本体につける。

ここは構造の理解が必要なので私もサンプル部分縫いを行ってから本番に臨みました。

まず持ち出しを中縫いして完成させから、裏地と縫い合わせ、その上にファスナーをセッティングし仮止めしてから表地にコバステッチでとめる。

見返しは裏地と縫い合わせ(角は縫いながら切れ込みを入れて)表地から控えた状態をコバステッチで押さえ、出来上がりの形にしてみてファスナーの位置を確認したあと見返しにファスナーを縫い付ける。

形状が問題なさそうなら表からステッチをかけ、持ち出しまでつきぬけ閂止めステッチをかける。

 

 

⑩裏地の股下を縫う。

止まりの位置まで縫い合わせ、縫い代は割る。

あと表地と離れすぎないように中で糸ループかテープ状に切った裏地で繋げておくといいでしょう。

 

⑪ヨークベルト、見返しを縫製し、本体につなげる。

見返しは今回伸ばした状態で縫製するので、裁ち端をパイピングテープでくるむ。

(見返しベルトは曲線なので先に生地のくせとりを行ってからつけるときれいにつきます。)

本体は事前にウエストで裏地等を仮止め行っておきます。

パイピングは表から見えないように端を折り込んでおくといいと思います。

 

今回は共布ベルトがつくのでウエストベルトに共布ベルトループを先にセッティングしてから本体と縫い合わせるようにしましょう。

順番としては

1、表ベルトと見返しの間にベルトループを挟み込んで縫う

2、表ベルトに止めステッチをかける

3、本体と縫い合わさる側の縫い代にベルトループの下側を仮止めする。

4、本体と縫い合わせ、ベルト高で折る。

5、落としミシン

※ベルトループを持ち上げて境目に落とすようにしましょう。

 

⑫カギホック、釦つけ

 

⑬共布ベルト作成

出来上がったらベルトループに通して形状確認。

 

⑭完成

いやぁ、長くなりましてすみません…とりあえず一通り気をつけるべきことを載せておきました。

年内の更新はこれで最後になりますので、ご挨拶を…

皆様良いお年をお過ごしください。(^o^)ノシ

 

 

 

 

 

 

 

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遅れましたがリフォームします。

こんにちは k です。

錦繍の時節となり、皆様ご健勝にご活躍のことと拝察いたします。

…て、まだ紅葉も色付く気配すらありませんね…(笑)

朝晩はまあまあ冷え込むようになりましたが、まだ夏の名残がありますね。

 

さて、私事ではございますが、色々やっておりましたことがようやくひと段落つきまして、多少余裕が出来そうです。

本当はスリーピーススーツ仕立てたいところなんですが、それはまた後日にして寝かせてた企画を先に進めようかと思います。

 

リフォームします!

 

他の講師の方々は幾つか作られてたのですが、私自身はその時別の企画してて携われなかったのですが素材はちょこっと手配してました。

そんなに値段がはるものではない安い古着ですが、今回使用しようと思う素材はこれです。

で、作るものはありきたりですがワンピースにしようかと思います。

今回の課題は「①既存の縫製を生かす」ことと、「②ダメージ部分をどう処理するか?」

という二点に注目しようかと思います。

 

①既存の縫製について、まず自分はシャツのヨーク付近の縫製はデザインとして生かし、尚且つスカートのビーズ刺繍の部分とかも生かせないかなと考えてます。

リフォームの楽しみの一つとして、

既存のものを利用しそれを新しくカッコ良く作り直す。

というものがあると私は考えてます、

センスが問われる課題ですが、世界にひとつだけのものを作れる喜びというものがありますよね。

(…まあ、センスについてはあまり期待せず見守って下さい。笑)

一応イメージのデザイン画はこちらです。

 

作業工程の組み立て方もそれに合わせるので、作図→トワル→縫製といった決まったスタイルではなく、用尺や既存の縫製、シルエットに合わせて縫いながら変更したりする部分もあると思います。

 

次に②ダメージ部分の処理ですが、

今回の素材は正直物があまりよくないです、生地のダメージが結構ひどいです。

特に上着ですが、織り生地の糸の部分が切れてしまっています。

こ、こいつぁひどい…

後ろ身頃が全体的にこんなだしなぁ、どうしようかなぁ…と考えておりました。

そこでふとヒラメキ!

ひっくり返せばいいやんか!と、

後ろ側の生地はダメージ少ない上、表情がほとんど変わらないのでこのまま使いましょう。

メンズシャツなので前たての打ち合わせの部分なども逆になってちょうどいい!

 

といった事を考えながら、おおまかに進む方向を決めてさっそくほどいていきましょう。

では、長くなりましたので続きは次回で!

 

 

 

 

 

 

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