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2019 年 4月 – パタンナーズライフ

ZOZOジャケット②

GWですね!皆さん如何お過ごしでしょうか?

学校は明日4/28~5/6までお休みさせて頂きます。お問合せ、見学は5/7~になりますのでご注意下さい。

 

早速初日から寒い+雨と何とも言えないスタートになりましたが、後半は晴れそうですね。気温はちょっとおかしいので、ちょっと羽織れるものを着て外出したほうが良さそうです。(私は今日フリース着ました 8-O 流石にこんな時期に着るのは初めてですね)

GWはどこもかしこも人が多いので、家に籠って服作りましょう ;-)

 

 

さあ、最後になりました、ZOZOのジャケットです。

・・・ばらしてどうなっているか確認しました ;-)

まず仕様ですが、裏は背抜きの仕様です。

このあたりの表の見た目はそこまで特筆するような事はなさそうでした。

他の量販のスーツブランドでも見られる仕様です。

 

 

さて実際中身はどうなっているか見てみました。

前回の環縫いは生地が柔らかいので吊りジワを減らす為に、一緒に伸びる縫製方法を選んだのかなと思います。

 

「ハンガーにかけていたら勝手に綺麗になる」はこれのせいですね。

 

中身も見てみましょう

まず裄綿です :-)

手前が前側でしたが、前に毛芯が2枚で後ろ側だけにフェルト入ってました。メンズなので前のほうが大きいですね。フェルトも2種類使用して肩先にのみ硬さを出すなどかなり工夫が見られます。

 

肩パットは3枚と非常に薄く肩先にだけさらに芯が足されていました。パット自体にクセはほぼ付いておらず、比較的フラットでした。

 

前身頃です。

ダーツが1本で、鎌底あたりまで芯が貼ってあります。

芯はかなり粗目のコートなどでよく見る芯でした。

生地が柔らかいのでアタリが出ないようにしているようですね。

 

?まったくわかりませんでしたが、間違えて貼っちゃったのかな?

 

ポケットの裏は縫い代を割って、厚みを分散していました。

正直これは知りませんでした 8-O 。テープも縫っていてどうやら形を作っているようです。

 

前端はうまく捌かれていて芯もずらして貼っているので、厚みの段差はほとんど感じません。伸び止めは出来上がり手前に貼って表のAMF(ハンド風のミシンのステッチです)で固定していました。このあたりは量産のスーツブランドと同じ感じです。

 

 

前の胸増し芯です。結構枚数多いですね 8-O

芯の膨らみはさほど感じられず、そこまで立体的ではありませんでした。

衿折れ手前をかなりガチガチにしたかったように思います。

 

肩の切り込みは切り込んでから接着芯で貼っているだけで結構簡易な感じでした。

 

毛芯をベロンとめくると・・AH部分は伸び止めではなくて、テープを縫い代にたたいていました。これもメンズっぽい仕様で本格的です。

肩先にも割り布を入れて、補強や、肩先の形に対する拘りを感じます。

 

 

衿の芯とカラークロスを止めるのステッチはすごい少なかったです。少な過ぎない?

衿折れにテープ入れてステッチ入っていました。カラークロスならではの仕様ですね。

表衿は衿先だけ芯を貼って、衿の曲がるサイドネックあたりから後ろは芯無しでした :-) 。衿が曲がった時柔らかく曲がるようにしたかったのかな?

厚み軽減か、台衿側に芯を全く貼っていなかったのは珍しいなと思いました。幅が狭く縫い代が芯替わりになっていました。形はちょっとくずれそうな気がします。

 

カラークロス、衿芯の外回りはかなり浮いていました。衿芯の地の目を見ると、襟ぐり付け側が相当伸ばされていました。表衿になじませた結果ですね。

 

前見返しにも工夫が見られます。わざと全面芯ではなく、少しずらして貼る事で柔らかくロールさせたかったのかなあと思います。

 

それ以外にもほんとに沢山工夫が見られました。・・・生地代と工賃いくらなんだろう・・・聞くのが怖い・・これで4万円切るんですね

多分、以前からスーツ専門でやっていた工場に頼んで作ったのではと思われます。

自社工場で1からだと最初からここまで完成度の高いものは出来ないんじゃないかと・・自社工場とかになったらもっと安くなるんですかね?

 

 

今回は一般的な体型のジャケットでしたが、すごい大きいサイズとかのも見てみたい :-P

仕様的にも変わるのかな?どこかダーツをとったり?前身頃1枚だけでは肥満体などの体型に対応でき無さそうですが、どうなんでしょう?このまま2つボタンだけで進むとも思えないので、新しいスーツが出たらチェックしてみたいですね :-P

 

 

 

最後に・・・

 

まとめると単純に「すごい 8-O 」と思います

 

・・があえていえば、パターン力アップの必要性を感じました。データ上の寸法だけでは、無理が生じやすいなと。

現状、特殊体型の人に対してはそこまで対応していないようですが、今後データが蓄積されフィードバックされれば、ぴったり合った服作りが出来るようになるかもしれません。

計測の方法の精度、計測されたデータをどうパターン上に反映していくか。是非とも続けて、「既製品の先」を目指して欲しいなとおもいました。今後が楽しみです。

 

 

以上レポートでした :-P

ではまた!!

 

 

 

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ZOZOジャケット①

やっと暖かくなりました :lol:

4月最初の寒さはどこへ・・・急激な温度変化についていけないですね・・ :-|

この頃よく風邪ひくので、大分注意して生活しています。皆さんも十分注意して下さいね ;-)

 

さて、新規の方も色んな方が入学されました。プロの方から初心者までほんとにばらばらです。この時期は特に、皆さんには服を作る楽しさを少しでも伝えられたらいいなと思って授業を行ってます。

やっぱり初心が大事ですね :-) 気を引き締めてがんばりたいと思います!

 

 

では、結構時間がかかりました・・・最後のジャケットです。

 

 

 

前回こんな感じで着用しているものを見てもらいましたが、もう一度おさらいを。

 

 

やはり一番気になる袖のシワ。

あとは開いてしまっている衿ですね。

問題にはならないレベルなのかなあと思いますが、ちょっとこうしたくなる感じですね↓

ということで実際パターンがどうなっているか調べてみました。簡易版ですが、結構大変でした・・・ :cry:

柄(ヘリンボーン)の生地なので精度はそこそこ高いと思います。

イセとか伸ばしとか大量に入っている箇所もありますし、縫製で変えていそうなところもあるので、完璧とは言えませんが、参考にはなると思います。

 

身頃です。

結構変わった形をしています。

全体的に丸くてちょっとレディースっぽい気もします。

 

 

前端のラウンドがかなり激しいですね :roll: 第一釦しか止められない設定のジャケットのようです。

第二ボタン止めたらヒップパツパツでした :-|

 

脇身頃は前とくっついているタイプのパターンです。用尺はかかりそうだなあと思いますし、パターンの調整や縫製が難しそうですが、何故これを採用したのかは謎です :roll: なんででしょう?ダーツ1本にして縫製減らしたかった?うーん :-?

 

前の肩線がラウンドしていましたが、かなりきつかったです。後ろと差がありすぎて縫い難そう・・・実際に着用した時は肩線は後ろに後退した場所にありました。実際のショルダーポイントの位置より結構後ろでした。

後ろのシワを吊り上げたかったのでしょうか。

 

アームホールは結構大きかったです。腕が上げにくい感じでした。も少し攻めて欲しいところ ;-)

 

ゴージーの位置は相当上ですね・・・

箱ポケットカーブきつくて縫製めっちゃ大変そうです・・・ :cry:

 

 

袖は幅が足りていない印象です・・アームホールも彼の体型だともうちょっと出して良さそうなものですが・・・あとは無理やり袖丈を変えている感じが・・・ :cry:

表衿は至って普通でしたが、地衿のカラークロスは相当クセをとっていました。

また次回お見せしようと思います。

 

 

全体の感想は、

肩先に引っ張られて全部の形がおかしくなっている気がしました。

これは着用している彼の体型の(前肩、猫背)せいですが、この「体型」までには対応出来ていない様子でした。

こういったところがもし改善されるならすごい事だと思いましたが、まだデータを生かしたパターンや、縫製は調整出来ていないのだろうと思います。

個人的にはぜひともこのあたりを改善して貰いたいと期待しています :lol:

 

前回から言っていますが、それでも・・買いにいって購入したレベルになっているのが凄いところだなと思います。

 

 

次回は縫製のお話ですが、なんと切り替えをチェーンステッチ(環縫い)で!! :roll:

 

ではまた!

 

 

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サイドポケットの部分縫い

みなさま、こんにちは。 O岩です。

 

 

4月期も始まって2週間が経ちました!

まだ空いてる席もございますのでお気軽にお問い合わせ下さいませ!

 

 

現在、パタンナーのたまごの方のブログでもサイドのポケットをやっています。

 

ということで、こちらでも少し違ったサイドポケットの部分縫いをやってみようと思います!

 

 

 

今回、こちらのスカートのポケットを作成していこうと思います(^^)/

見返し付きのポケットです!

 

 

 

 

 

内側はこんな感じです。

 

 

 

 

それでは早速、縫っていきます!

 

まずは袋布と見返しです。

見返しには接着芯を貼っています。

 

 

見返しパーツは矢印の部分を先にアイロンで折っておきます。

アイロンができたら袋布に乗せて、出来上がった状態にセットします。

 

縫う前に出来上がった状態にセットして確認する事で失敗を防げるので私は必ず1度はチェックしてます ;-)

 

 

 

 

確認ができたら上画像の白矢印の箇所をコバSTでたたき付ます。

 

 

 

 

もう一方の見返しと袋布も同じ手順で作っておきます。

 

 

見返しは矢印の箇所をアイロンします。

 

 

 

出来あがりに置いてチェックも忘れずに(^_-)笑

全く同じ手順ですが、コバでたたきます。

 

ひとまず、見返しと袋布が完成しました!

 

 

 

 

 

次に先に作っておいた見返しと袋布のパーツを身頃のポケット口と縫い合わせます。

画像の赤い矢印部分がポケット口になるのでここを縫い合わせます。

 

 

 

ここでも出来上がりはどうなるか確認しました。

間違えて糸をほどく手間を考えたら全然面倒くさくないですよね♪

 

中表に合わせて中縫いします。

 

 

 

縫えたら裏コバSTをかけます。

見返しがポケット口から噴き出してくるのを防ぎます!

まずは縫代を見返しと袋布側に片倒しします。

 

 

 

倒せたら表側から見返しの方(縫い代が倒れてる側)にステッチをかけます。

 

 

 

これで出来上がった時に表側にはステッチが見えず、裏側のみステッチが入るので裏コバST完成です!

 

 

 

あとは袋布を縫い合わせていきます!

袋布外周は袋縫いになるので外表の状態にセットし、5mm幅で縫います。

 

 

 

縫えたら、袋布同士が中表になるように合わせて縫います。

縫代は1.5cmです。

先に5mmで縫ったので残り1cmで縫います。

 

 

 

完成です!!!(*^_^*)

 

 

 

パターン的に修正しないといけない場所も見つかったり、縫われる手順を理解する上でも部分縫いは本当に大事です!

 

改めて感じました!!!

 

 

軽い気持ちで久しぶりにスカート作ろ~っと思って始めましたが色んなスカートを見るとポケットだけでも色んな仕様があり、楽しくなってきちゃいました。笑

 

また部分縫い等でこちらにお邪魔するかもしれませんが、よろしくお願い致します(^^)/

 

 

 

ご清聴、ありがとうございました。

 

 

 

 

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