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パタンナーズライフ

ディティール研究②

さてさて今回は一部のマニアックな方々に喜んでもらえるかなという企画、ディティール研究です。
(主に男子)



今回は皆さん大好きリ○バイス501xxす。
特にヴィンテージは皆さん大好物かと思います。

お店やネットでも見る機会は少なくなってきましたが、ありがたいことに、復刻(レプリカ)を出してくれているのでたまに見つけては、物色しております。(本物は無理ですsweat02

というわけで、ちょっとパタンナー目線での研究を・・・オペラの男子生徒向けです :-o

調べたものは2種類
リ○バイス501xx 1927年
リ○バイス501xx 1966年
です。

今回は1927を調べて、次回66と比較して、実際縫って、縫いやすさなどを検証してみましょう。

ではでは


一番の特徴はホワイトステッチで1本針2本糸で縫製しているところでしょうか。

現行品やこの後紹介する66なんかは環縫い(いわゆるチェーンステッチ)で縫製されている所が多数あります。個人的には下糸を替えなくて済むので、下糸を替える手間が省けるためかと思います。後は、環縫いをすることでチェーン状に縫われ緩みが出る。諸説ありますが、私の見解としてはこんなところです。

逆に本糸だと、強度は高くなるかと思いますが、縫製の際に、均一な幅になりにくい(ヴィンテージはこの辺りの雰囲気が好きな人が多いと思いますが)かと思います。このジーンズも実際、5mmのステッチ幅から徐々に3mmになり、ステッチが歪んでいました。

まあ、手間もそれだけかかるかなと思います。
このあたりは1927年で、テーラーメイドの名残と工業用として実験段階っていう雰囲気にまとまっています。




で、ジーンズの一番気になるところです。

開き部分です。
今回はここを重点的に。


裏側や、縫い代をどうやって折りこんでいるかを確認します。

良く確認すると、この部分は中縫いされていません

角の部分の縫い代の入れ方も縫い代が飛び出ています。
これは正直汚い。と思うのですが、このあたりがカジュアル、工業用の面白いところです。
なにか理由が無ければこんなことはしないだろうと。
じゃあ何が理由でこんな縫い方をしているんだろう?
と考えていきます。


理由はルトに開き部分を差し込んで縫い、地縫い工程を減らしているんじゃないかと推測できます。実際に地縫いしてひっくり返して、角を作る。という作業はやはり手間です。(そのほうが圧倒的に綺麗ですが)

ここは次回実際に縫ってみて検証してみましょう。



表から見ると、ベルトの周りのコバステッチ(1mmではなく2mm幅)が途中で止まっています


他には股ぐりも・・・

ステッチの幅がかなり細くなっています。しかも途中から幅をわざわざ変えて縫製しています。

裏側から確認すると、表からは2本の糸しか見えていないのに、裏は3本見えています
ここも要確認です。



前が重なる分量も現行品や66などでは7mmから10mmですが、5mm程度です。


他にも・・・



裏から確認すると現行品にはないディティールがちらほら。

を使った持ち出しなど。

数えればきりがないですが、年代が変わって、ディティールがどう変化して行ったのか確認していきましょう!!

では次回もお楽しみに!!(主に男子

 

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