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部分縫い 控え無し比翼

寒暖差激しいですね・・毎日服装困ります・・電車も暑いし・・・

とりあえず最近は脱ぎやすいものを着て出勤するようにしていて、被り物は最近着ていないですね、、

「着脱がし易い」は大事だなと最近よく感じます。

 

という事で・・・強引ですが、「ボタンの開け閉めがし易い比翼」です。

 

なんてことない比翼ですが、普通「見返し(裏)はコの字に控えているもの」が多いです。比翼の仕様って生地が硬かったりするとすごくボタンかけにくいんですよね・・・ :roll:

最近の服はほとんどコの字ですが、こちらの仕様は控えが無く、表裏の前端が揃っています。

昔(90~80年くらい)のものにはよく見かけます。

メリットは

ボタンを使う時、裏の比翼布がヒラヒラして持ちやすい

です。それだけ?と思うかもしれませんが、ほんとにかけやすくなります。

ボタンかけにくいのって結構ストレスなんですよね・・

 

 

では↓パターンです。

 

 

右は省略して左だけです。続きの比翼なので、生地は薄く仕上がります。

薄い場合は芯を貼ってもいいかなと思います。裾には前端までキセを入れています。

バーバリーのトレンチコートなどに見られる仕様です。ついでにやってみました。

 

まず比翼布をアイロンで折り、裏にホールをかけます。最初にホールをかけておいた方がやりやすいです。

 

 

次は裾下端を地縫いして、キセを入れてから前端を地縫いします。上端も地縫いして角は切り込みを入れておきましょう。

 

 

 

出来たらひっくり返します。

 

 

裾は角の縫代が分散しているので、厚みは軽減できすっきりしています。

 

 

比翼布同士に中止めステッチをかけます。「ポイントは端まで縫わない」です。

端まで縫わず生地も端まであるのでボタンをかける時布が持ちやすくなり、「アソビ」になってボタンに引っ掛けやすい。という仕組みです。コの字タイプはかけにくいんですよね・・・

 

 

続きです。前端にステッチです。

上下かけて、比翼部分は強引にめくってステッチをかけます。ここが最近無くなった理由かと思います。縫い難い・・

最後にL字に比翼布押さえのステッチです。

 

 

メリットは先ほどの「ボタンがかけやすい」

あとはコの字の角の縫い代がないので、「スッキリした前端」になります。これはシルエットに影響しそうですね。

デメリットは「返し縫いが見える」「縫い難い」です。

ほんとにちょっとしたことですが、こういった工夫に気遣いを感じた時、「良く出来てるなあ」と感じます。

着る人の事を考えた良い仕様だと思います

 

ではまた!

 

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部分縫い モッズコートポケット②

こんにちは :-P

本格的に寒くなってきたので、服装にご注意下さい。(毎回言ってますね :-P 気温10度差は風邪ひきますよね・・・)

早速ツイードのコート着ていますが、結構派手なので目立ちますw

 

 

いつの間にか師走なので、大掃除になりすぎないよう今の時期からちょこちょこ掃除をしています。毎年1日でやると大変なので今ぐらいからやっておくと楽になるのでおすすめです :-P

 

では前回の続きです。

 

 

フラップを地縫いして縫い代をカットします。

角は生地が重ならないように、カーブはシワにならないようにカットしました。カジュアルならそこまで気にしなくていいかもしれません。

 

ひっくり返して端にステッチをかけます。今回は途中で止めています。

 

ややこしい口布です。見返し端にロックをかけておいて、写真のように縫います。

わざわざこんな縫い方をしているのは、少しでも縫い代の厚みを軽減したいためです。

パターンが鋭角になると縫い代が集まってしまうため、微妙に角を落としていました。パターン的にはややこしいので、ちょっとしたテクニックだと思って貰ったらいいかなと思います。

生地が厚すぎる場合は、切り込みから下は中縫い無しの切りっぱなしでもいいと思います。

 

 

ひっくり返します。

写真撮るの忘れてしまったんですが :cry: この後口布上端にステッチをかけておきます。

 

できたらフラップ口布、裏には袋布をセットし、上下縫います

 

 

出来たらYの字に土台布、袋布を一緒に切り込みを入れて一度ひっくり返します。口布端の縫代が飛び出ないように。

 

 

表からコの字に口布側にコバステッチをかけ、見返しおさえのステッチもかけます。

 

 

一度袋布を出して、向こう布と袋布を地縫いします。

 

 

もう一度戻して、外周ステッチをかけます。

 

 

今度は表から向こう布貫通でコの字のステッチをフラップ側にかけます。

 

 

最後口布端とフラップに止めステッチをかけて・・・

 

 

完成です。

口布の角の縫い方が少し変わっているだけですが、生地が薄く仕上がるための工夫は必要です。

メルトンなどの生地の場合はこういった細かい縫製のテクニックでかなりクオリティが変わりますので是非試してみてください。

このブログを見て縫ってもらえたらなと思って、今回写真が多くて長くなってしまいました。以前に作った部分縫いもまとめていこうと思いますので迷ったら参考にして下さい。

 

ではまた次回!

 

 

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部分縫い モッズコートポケット①

雨が続きます。

昨日は息が白くなるくらい寒かったですが、月曜は暖かく10℃くらい違うようです 8-O

暖かいからといって油断しない様に気を付けます・・・

 

そういえば現役の学生さんがスカートの説明に非常に感動してくれました :lol: 学校では聞いた事ない知識なんかも交えて話したりするので、凄く喜んでくれました。こちらもなんだか嬉しくなります。お互いに楽しく出来るのは大事ですね :lol:

 

 

ではちょっと部分縫いを。いいのありましたw

 

 

所謂モッズコートのポケットです。

ただ、ほんのちょっとだけ仕様変更していました。本家はもう少し縫い難かったと思います。

 

↑こいつです。口布が長く折り返して使うやつですね。ドットボタンではなくバネホックタイプで開け閉めは本家より非常に楽です。

 

 

このあたりの角の処理の仕方が良かったです。縫い代が極端に薄くというわけではないですが、ちょっとだけ工夫されていて、面白い仕様です。

 

 

裏側は袋縫いされていて

パンツのバックポケットと同じようにめくっても縫い代が見えない綺麗仕上げです :-P

 

 

早速パターンです↓

土台布

口布端がややナナメになっているのがモッズコートのポケット口の特徴ですね。

 

 

口布とフラップ

口布が続いていて複雑化していますが、そこまで難しくはありません。さすがに縫わないとちょっと分からないかな?表、裏と表記しているので良く確認してください。フラップ両サイドに口布貫通のステッチが入ります。

 

 

袋布・向う布

袋布はスレキです。生地がごつくなければどちらも表地でもいいかなと思います。角を丸くカットしているのは、縫代の厚み軽減とポケットの底にゴミが溜まらないようにかなと思います。

 

 

裁断です。

 

これに+土台布を用意しておいてください。

 

今回隠しでバネホック付くので、フラップ裏に力芯プラスで貼っておきます。

で、生地が薄いのでプラスでパッキンを余った革で作りました。薄手の生地の場合は入れておいた方が無難です。破けてしまうので。

 

裏フラップに先に付けておきます。パーツ間違えないでね :roll:

 

では次回縫製手順です。

 

お楽しみに!

 

 

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