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2012 年 6月 – パタンナーズライフ

パターン技術検定試験3級①

こんにちは K です。

前回の2級の内容に引き続き3級の内容で更新していきます。

 

3級のデザインはこちらです。

公式絵型

公式からデザイン画にしました。

勉強をする上で押さえておくポイントとしては、

●基本シルエットは変更が少ないので、シルエットの出し方を覚える。

●公式発表の2型はどちらもひけるようにする。(組み合わせて出るケースが多い)

●シルエットを形成する上での寸法等は覚えておく、もしくは決める。(着丈、袖山、袖幅、肩幅、等)

●とにかく数をこなしてスピードを付ける。(自分でタイムテーブルを決めてそれを基準に動く)

ですかね、以下の写真はこちらで組んだものになります。

組んでみて思うことは、

まず寸法はだいたい肩幅38cm、B94cmくらいですかね、着丈は50~55cmの間くらいではないでしょうか?

袖口の仕様は今回ダブルの仕様にしました。

 

襟のディテールに関しては公式の絵型のように襟の返り線を人体に隙間なく沿わせるのは、

製品としておかしい形状だと思いますので、やはり指一本通る隙間は必要でしょう。

脇線の形状は直線?と思いきやほんの気持ちウエストを削り裾でフレア出してます。

直線にするとカマ底から裾にかけて内側に入ったようなラインになってしまいます。

袖山のイセ分量はいつも授業で入れてる配分くらいです。

 

あとは袖口形状は直線にしております。

直線にすると縫い目で抉れるような角ができるのでは…とお思いかもしれませんが、

逆にこうすることによって、横から袖口を見たとき内側の縫い目が見えないので見た目が綺麗です。

 

皆さんのご参考になれば幸いです。

 

 

 

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パターン技術検定2級①

こんにちは!
またパターン検定の試験が近づいてきました。

毎年お話していますが、時間に注意!!
もちろん試験の時間自体が短いのも注意ですが、勉強時間も短いですよ!
早めに取り掛かりましょう!

今回のデザインはコチラ





横 





身頃に関しては、バスト94前後ってところでしょうか。
たくさん引いて自分の形をつくりこめば、特に問題ないかなと思います。
身頃のバストダーツ、肩ダーツでのイセ配分、ウエストの絞る配分、切替の位置は完全に覚えてしまったほうがいいでしょう。
ただあまり修正している時間がないので、迷うようでは正直厳しいです。

衿はたたみすぎても、開きすぎてもダメ!
衿の返りが綺麗にロールしません。
ここも自分なりの寸法や、形状を覚えてしまったほうがいいでしょう。


・・・今回はギャザー袖です!!
時間配分大丈夫かな?と思います。
4面体の形状は比較的楽だとは思いますが、ギャザー袖は修正しにくいので、1発で決めてしまわないといけません。

特に袖山、袖幅を自分なりに寸法を出し、形状を覚えておかないと失敗しますから、とことん引いて慣れましょう!(おそらくパターン展開している時間はありません)
カーブの形状、袖山の高さはコチラのパターンを参考にしてください。

私の袖山のギャザー倍率は1.45倍だったので参考までに・・・袖幅は32cm前後ってとこでしょうか。


では皆さん、合否が分かる前に勉強しておくことをお勧めします!


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ふわっとしたヨーク切替シャツ

こんにちわ K です。

今回の更新は、先日電車の中で出遭ったヨーク切替シャツの後ろ身頃の話をします。

 

先日電車の中で前にいたおじさんが着ていたシャツのヨーク部分に違和感を覚え、じっと観察していました。

何にそんなに違和感があるのかな?とぱっとは思いつかなかったのですが、しばらく見ていたら、後ろ身頃の部分がバイヤスに取られていることに気付きました。

ヨーク部分がバイヤスになっているスプリットヨークというのは良く見る形ですが、下の部分がバイヤスになっているのはなかなか珍しいなぁ…と思いました。しかも紳士のYシャツで、

 

(左:スプリットヨーク 右:シングルヨーク)

紳士Yシャツって形がパリッと整えられたものが多いなか、このYシャツはちょっと婦人用のチュニックっぽいシルエットなのです。

(見た目イメージが女性的)

 

そこに少し疑問がわきました「何故そういう形にしたのかな?」と。

 

男性用の製品は女性のものよりも機能的な事を考えられて作られることが多いので、デザインという理由以外何かあるかなと考え、一回サンプルを作って見ることにしました。

 

※パターンは自分が着れるサイズに改変、シルエットは直線的なシルエットです。

使用生地は薄手コットン、またTOMATOの¥100コーナーのもの、いつも有難うございます。

バイヤスが分かり易いようにチェックにしてみました。

   

縫製は省略します。

着れる状態にし腕を動かしたりして運動量など確認…

そして出来上がりを比べてみて、違いはどういったものか?(タテ地の目のものに対してバイヤス地の目のものはどうか?)

○シルエットが全体的に大きく見える。

○着た時にふわっとした仕上がりで、肌に触れないので風通しがいい(気がします。)

○後ろのプリーツの形が少し出にくい(出にくいというよりか、すぐ消えるというのが正しいかもしれません。)

○アイロンをかけるとき注意しなければ伸びる。(シャツインとかしてると伸びるかもしれません、その分シルエットが細くなりますが形状が変わるので注意ですね。)

 

くらいですかね。バイヤスのほうが腕が動かし易いとかそういったものはありませんでした。

つまり、機能的な影響はあまりないが、見た目と着心地がちがうということでしょうか。

やはり、こういったシャツのものより、チュニックのほうが向いてる気がします。

男性のシャツは真直ぐピシッとなってるほうがスーツにむいてるのではないかと個人的に思いました。

 

 

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ピーコート③

こんにちは!
暑くなってきましたねー。寒暖差が激しすぎて、みなさんも着ているものに困っているんじゃないでしょうか?

というわけで、コートの続きです。(すいません、季節感無くて:-( )


前回は裁断前でしたね。
早速カットしました!

ウーン。ざくざくっとした感触がなんとも・・・

この厚み、すさまじいですね。さすがダブルフェイスです!


裁断後


今回のピーコートでは、
針は14号(やや太め)
地縫い糸は60番スパン糸。
表側のステッチは30番スパン糸を使いました。

芯はあまり硬すぎると、針も通りませんし、ドレープしなくなるので、比較的柔らかいものを使いました。

伸び止めテープも、かなりごつくなるので、薄手のものを使用しています。

衿の伸び止めです。要所要所で薄くする工夫をしています。


まずは身頃のクセ取りをして、地縫いします。(かなり形が作り易い生地だったので、比較的楽にできました。)
自分で着ながらの確認なので、非常にやり難かったですが・・・
 

裏地はさくっと縫いました。(綿のヘリンボーンの生地を使っています)



ポケット玉縁布をどうしても共布を使ってチャレンジしたかったので、
一番苦労したのが、ポケットです。

細くするのは難しい!やはり、別布で玉縁布を取るべきだったか・・・と

でもかなり薄く仕上げられました。
中の縫い代を限界ギリギリまでカットしました。

ダブルフェイスの生地だったので、剥がしながらカットしています。
 


フラップも極力薄くして、生地の厚みを減らします。
これを全部の縫い代で行ったので、だいぶ手間にはなりましたが、その分薄く仕上げることはできました。

セッティングはピンですると、生地の厚みで捻れてしまうので、重要な箇所は、しつけをしてから縫いました。


ポケットの裏側です。

深さは自分の手のサイズちょうどでした。手をいれると、おさまりのいい場所です。ヴィンテージのピーコートだと、垂直のポケットがついているので少し入れ難いです。
少しだけ傾斜を加えたので、手は入れやすくなっています。

衿は月腰の、切替えた衿にしました。
これも、カジュアルなピーコートなどは、衿腰をあまり高くせず、1枚で作られていることが多いです。
少しだけドレスっぽい雰囲気を出したいなと思い、衿腰は少し高めに設定しています。(このあたりの好みははっきり分かれるところですね・・・)


  
衿も極力生地の厚みを減らしています。2重の生地1枚をわざわざ剥がしているので、手間もかかりました。


さあかなり完成に近づいてきました!!
次回は袖付け、どんでん、仕上げです。お楽しみに!!




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薄地でスカート(トレンド講習から)

こんにちわ K です。

今回の私の更新内容は、先日行ったトレンド講習の内容について

授業内ではさらっとしか触れませんでしたが、薄地でのスカート縫製の工程を書こうかと思います。

 

今回薄地縫製をするにあたり、色々問題に直面し、それをどう解決に持っていったか?その辺りを詳しく書いていきます。

①裁断

まず、縫製に入る前に生地裁断をするわけですが、

とにかく生地がぐにゃぐにゃ動きます。きっちりパターン通りの裁断が難しいので、

極力生地が動かないように工夫する必要がありました。

裁断にはローリングカッターを使い、生地はパターンの上に置き、針で固定して更に重しを載せ、

裁断前の出来上がりの線に印を入れ、パターンと一緒に裁断致しました…

 

ノッチはほどけてくるのでチャコで印つけ。基本広い場所を確保して、障害物の無い状態で裁断しないと、何かの拍子でズレたりすると大変なので注意しながら裁断しました。

 

②縫製(準備)

とにかく薄手を縫う時は、最初の設定から間違ったら大変なことになりますのでしっかり合わせませす。

使う糸番手は80や90番手といったもので、針は9号針、7号針、(これは講義でも言ってましたが…)

では具体的にどういう不備が起きるか?

糸が太いと生地がつれる、針が大きいと同じく生地が引っ張られたあげく

穴が開いたみたいになります。

なので、糸調子は若干糸が浮き上がるぐらいに緩め設定が良いと思われます。

↑(上)11号針・60番手・薄地設定だが糸調子は普通 

 (下)7号針・90番手・かなりゆるめ設定

このとき、糸の緩み確保のためハトロン紙等を挟んで縫う人がいますが、

私は正直あまりお勧めしません。

なぜなら、薄手生地はミシン目も細かくして縫ったほうがいいのですが、

そうすると、糸と生地の間に紙のカスがたまってそれが取りにくく、時間がかかりますし

地縫い線を引っ張ることによる生地の痛みにつながり、糸調子も悪くなります(片方だけ浮いたり)

定規をあてて裂いたり上手くとる方法もありますが、とにかくめんどくさいです。

(個人的にこう思うだけかもしれませんが…)

それなら糸調子をゆるめに整え、ミシン針を細い号数やニット用ボールポイント針

(普通針より針先形状がなだらか)にして生地に対する抵抗を少なくし、

バッチリあわせて普通に縫えるほうが楽だと思っております。

さらに糸の抵抗もシルク形状糸やレジロンにして、少なくするようにし、生地の負担を軽減していけば相当縫い易くなるはずです。

参考までに今回私は7号針の80番手シルク形状と90番手糸、ミシン目幅2mmぐらいでゆるめの糸調子の設定で縫いました。

 ③ 縫製 (本縫い)

さて、縫製です。

と、いいましても縫うのは普通生地となんら変わりないです。

脇線→裾→ギャザー→ベルト→ファスナー→合体

という順番、その中でもなかなか苦労したのは裾の三つ折り端ミシンですね。

 

工程はたいしたこと無いのですが距離があるので大変でした。

この縫い方を綺麗に仕上げるコツは、とにかく横着しないことですね。

しっかり裁ち端を落とし、アイロンも地縫いの後と折り返したときと、工程のたびに入れてました。

基本薄地は生地としての強度があまりないので縫い直しなどがないように慎重に縫う必要があります。

アイロン工程は大事だと思います!

 

あとはシフォンを挟んで縫うときの工程が少し複雑です。

下スカートは表地と一緒に縫うことが出来ますが、上のスカートはファスナーが付いてから

表地の縫い代に貼り付けるようにして縫うという工程で、シフォンのファスナー止まりは表地から少し離して縫わなければいけませんでした。

 

表地の縫い代と一緒に挟み込んで縫うこともできないことは無かったのですが、そうなるとシフォンの脇線が表の脇線と固定されてしまうのでやめました。

そうこうしてるうちにシフォンのウエスト部分がほつれてきました!ここは裁断してから裁ち端にほつれ止め貼っておくべきでした…

 

ちなみに今回はファスナー部分はこのテープにしました。アピコです。

アピコの芯地ってソフトなものが多いですよね。

薄地の場合、透けますのでファスナー伸び止めは共布かオーガンディ挟み込みますが、今回はこのテープで影響なく、それなりに伸びなくなったのでこれにしました。

最後にホックなどつけて完成。今度また薄地縫うときは、もう少し上達していると思います。(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

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