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東京のアトリエ講師のこだわりや、物作りの様子をお知らせします。ファッションの情報やイベント告知も行います。
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2019 年 12月 – パタンナーズライフ
2019 年 12月 – パタンナーズライフ
2019年 12月 中国広州 企業セミナー
みなさま、こんにちは。
本日はLE・OPERAの松村代表の中国企業セミナーのレポートをご紹介します!
場所は中国の広州。
緯度的には沖縄くらいで気温が高く、真冬なのにTシャツの参加者もいたそうです。笑
今回、研修する企業は2006年創業のカジュアル衣料では中国NO.1の会社で世界規模でショップ展開をしている「UR」という会社です。
メンズ・レディース両方合わせて4日間のセミナー開催でした。
使用するボディはヨーロッパの体型を研究して独自に開発された物だったそうで1体30~40万円もするそうです。
ボディには会社ロゴと1台ごとにシリアルナンバーもついていたみたいです(+_+)
かっこいいですね!!!
レディースボディの特徴は厚みがあり胸も大きくバストポイントが低めに設定されており、ヒップのサイズは大きく大臀部の厚みも大きくつくられていたみたいです。
メンズボディも胸の厚みが大きく大胸筋が大きく設定されていて、ヒップサイズは標準ですが幅が狭く後ろの大臀部の厚みが大きく作られ、その分幅が狭く見えています。
メンズ・レディス両ボディに共通して凸凹が大きくよりリアルな体型になっていたそうです!
セミナー1日目。
ボディのテープ貼りとストレート原型作製。
参加者はパタンナー35名、デザイナー5名。
まずはボディに基準となるバスト・ウエスト・ヒップの水平ラインを決めます。
その後はLE・OPERAの普段の授業と同じくラインを参考にしてストレートの身頃原型作製です。
ボディの胸の厚みが大きくバストのダーツがかなりあったみたいです。
なので、日本のボディで作ったジャケットを着せると胸の所で余ります。
O岩もそうですが余ってる箇所を見るとダーツを取りたくなってしまいます(^^)/
日本の紳士服の作図は昔のままのボディに合わせて研究されている物が多く、海外で販売すると胸や肩が当たって着難い服になってしまう恐れがあります。
午後からは身頃の原型からジャケットの身頃までを作製しトワールで確認します。
2日目は各自ボディに合わせて作った身頃の確認と袖の作製です。
トワールです。
ヒップ寸法はゆとりがありますが太腿が発達しているのでその部分が当たっています。
また袖の高さが足りていないので身頃との隙間が大きくなってしまっています。
修正としては前のヒップ寸法を半身で1センチ出し、袖山を5ミリ出せば問題ないレベルでした。今回は時間が限られていたので修正手順の説明をして、トワールの組み直しはできなかったそうです。
3日目はレディスのストレート原型作製とジャケットの作図です。
最初にボディを見せてもらった時から胸の立体感がリアルに表現されているので胸の上部にかなりくぼみがあり、上着の原型を取るには無理があったそうですが、講習前日に補正の方法を思いついて凸凹をうまくコントロールできたそうです!
これのおかげで原型も綺麗に取ることができ、ジャケット身頃の作製にも取り掛かれたみたいです。
急な発想で打開できたのはさすがLE・OPERAの代表だと思いました!
身頃とアームホールのパターン完成後、全体のバランスを見ると違和感を感じてサイズ確認をすると、ゆとり寸法を足していなかったというハプニングもあったそうです(+_+)
しかし、原因と補正方法を伝えて無事に身頃のトワールも完成できました(^^♪
午後からと4日目にかけては袖の作製と2枚袖の表情の出し方を研究した後、トワールを完成させ、ここからは何の問題もなかったようで綺麗なテーラードジャケットが出来あがっています!
メンズとレディースを並べた状態です。
最終日はラグランスリーブの仕組みと作製方法の説明をし、こちらも時間に限りがあったためトワール組みまではできませんでした。
ただ、参加された皆様の必死な様子がこの作業場に表れていますね(*_*)笑
参加した皆様、何かを掴んだようで満足してもらえたようです!!!
最後に完成したチーフのトワルと並べて撮影。
以下、LE・OPERA松村代表の感想です!
中国では以前も他のアパレルでオリジナルボディを使ってジャケットの講習を行いました。
中国ではボディの研究が進んでいて企業の努力が伺えます。
それに反して現在、日本のアパレルでは昔のままの同じボディを使い続けていて、今のユーザーの体型と乖離した商品が作られています。
世界を視野に入れて生産をしていくのであればその辺りの研究が特に必要だと感じました。
インナーダウン①
年末です・・毎年言いますが早いですね・・
年末年始ですが、28日~5日までお休みを頂きます。
生徒さんは間違えていらっしゃらないようご注意下さい
最近は寒さにも慣れてきたところにまた暖かいという良く分からない天気が続きます。
脱ぎ着しやすい服装がオススメ。・・・ということで、中にも着用できるインナーダウンを購入してみたのですが、腕が動かしにくい・・・袖に違和感を感じたのですが、研究にもいいかなと思い、そしてものすごく安かったので買ってみました
まあ腕は上げやすいんですが、
袖山がなんだか前後同じような・・
前に曲げようとすると、少し貼り感を感じます
パターンを調べてみたところ・・前後同じ袖の形 初めて見ました。
そりゃ後ろ足りないわ・・
修正して検証しようと思います。
袖の振りはそのままで、後ろ袖、後ろアームのラインを少し出して見ます。ついでに身幅も半身で+2c変更。また次回検証で元パターンと比較してみます。
素材はコットンライクな微起毛のキルティングにしました。さすがにダウンは出来なかったので・・
裏は派手なオレンジ ミリタリーの裏地っぽい感じにしました。
裏地は薄手のナイロン。薄くても強度は欲しいのでリップストップナイロンにしました。
ポケットは裏を控えて縫いましたが、少し見えるようにしました。着ているとオレンジ色がチラチラ見えます
薄手ナイロンですが、かなり薄いため普通の押さえで縫うと縫いズレが激しかったです
なので、リング押さえに変更しました。ある程度上の押さえが動いてくれるので、縫いズレは防止できます。
ちょっとしたテクニックですが、よくシフォンなどの薄手生地の場合最初の返し縫いでグチャってなります。
それを防ぐ為に返し縫いではなく生地そのものを回転させて縫い戻るとグチャっとなりません。薄手生地で試してみて下さい。
ささーっと縫って、表裏をくっつけた所まで出来ました
糸調子や最初の試し縫いなどセッティングに時間はかかりますが、縫い始めると早いです。
では次回完成で
部分縫い 控え無し比翼
寒暖差激しいですね・・毎日服装困ります・・電車も暑いし・・・
とりあえず最近は脱ぎやすいものを着て出勤するようにしていて、被り物は最近着ていないですね、、
「着脱がし易い」は大事だなと最近よく感じます。
という事で・・・強引ですが、「ボタンの開け閉めがし易い比翼」です。
なんてことない比翼ですが、普通「見返し(裏)はコの字に控えているもの」が多いです。比翼の仕様って生地が硬かったりするとすごくボタンかけにくいんですよね・・・
最近の服はほとんどコの字ですが、こちらの仕様は控えが無く、表裏の前端が揃っています。
昔(90~80年くらい)のものにはよく見かけます。
メリットは
ボタンを使う時、裏の比翼布がヒラヒラして持ちやすい
です。それだけ?と思うかもしれませんが、ほんとにかけやすくなります。
ボタンかけにくいのって結構ストレスなんですよね・・
では↓パターンです。
右は省略して左だけです。続きの比翼なので、生地は薄く仕上がります。
薄い場合は芯を貼ってもいいかなと思います。裾には前端までキセを入れています。
バーバリーのトレンチコートなどに見られる仕様です。ついでにやってみました。
まず比翼布をアイロンで折り、裏にホールをかけます。最初にホールをかけておいた方がやりやすいです。
次は裾下端を地縫いして、キセを入れてから前端を地縫いします。上端も地縫いして角は切り込みを入れておきましょう。
出来たらひっくり返します。
裾は角の縫代が分散しているので、厚みは軽減できすっきりしています。
比翼布同士に中止めステッチをかけます。「ポイントは端まで縫わない」です。
端まで縫わず生地も端まであるのでボタンをかける時布が持ちやすくなり、「アソビ」になってボタンに引っ掛けやすい。という仕組みです。コの字タイプはかけにくいんですよね・・・
続きです。前端にステッチです。
上下かけて、比翼部分は強引にめくってステッチをかけます。ここが最近無くなった理由かと思います。縫い難い・・
最後にL字に比翼布押さえのステッチです。
メリットは先ほどの「ボタンがかけやすい」
あとはコの字の角の縫い代がないので、「スッキリした前端」になります。これはシルエットに影響しそうですね。
デメリットは「返し縫いが見える」「縫い難い」です。
ほんとにちょっとしたことですが、こういった工夫に気遣いを感じた時、「良く出来てるなあ」と感じます。
着る人の事を考えた良い仕様だと思います
ではまた!