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2019 年 6月 – パタンナーズライフ

フライフロント②

本格的に梅雨に入り、以前作ったレインコートが大活躍!かと思いきや、ちょっと暑くて、今の時期はきつい・・・もう少し薄手で丈短いの作らないとダメですね・・・

 

生徒さんの中ではパターン検定2級の筆記試験もあり、本格的に実技に向けて練習しだしました。結果が出てから動いては遅いので、早めに練習しておきましょう。

動画もアップしておりますので、是非参考に見てみて下さい↓

 

では前回の続きです。

パンツの前明きですね。

前明きは本当に色んな種類があります。現代的なものはいかに効率良く縫うかに重点を置いていますし、昔のものはテーラー的な作りの名残が多く残っています。

 

↓1900年頃のパンツを資料用で購入しましたが、今と全然違います。前の股グリのカーブ凄いですね :roll: 有名ブランドでも見ますが、持ち出し裏のスレキがバイアスでした。角が丸いのは昔のものでちょこちょこ見ますね :roll:

てまつりがほとんどなので縫製手順はあまり気にしなくていいのはメリットですね。

調べてみると本当に沢山あるので見てみて下さい :lol:

 

 

では、最後短いですが、まとめです。

ウエストが謎仕様で・・・

なんとウエストとベルト表裏中縫い・・・ 8-O このパンツでしか見た事ないです・・・

知り合いの縫製してる人何人かに聞いたら、「やりたくない」と口を揃えて言われました :roll: なぜかというと・・・↓

そうです、上端を「綺麗にはみ出さないように折る」事をしないといけないので、正直かなりの精度が求められます。ちょっとでもはみ出たら裏見えますので・・・

この理由はベルトループを上下ベルトに流し込みたかったからかなと思いますが、それだけではない気もします・・なぜこんな事をしたかったのか、謎です・・・他のディティールの部分でも中縫いしている箇所が多かったです。そんなに中縫いしたいの?

 

 

ベルトが縫えたら持ち出しを挟んでステッチです。

最後に股グリを中縫いして(縫えるところまで縫っていました)表から貫通のステッチをかけて完成です。

 

裏の股グリ部分がしっかりするのと見た目キレイなのはかなり好みですが、結構ゴツイので厚手生地だと縫う事が難しいかもしれません。

 

 

↓最後にもう一度実物です。

ちなみに後ろパンツは縫い目ずらしの為に後ろ股グリ右高でした :lol: ミリタリーものでたまに見かけますね。

 

こんな風に、前明きだけでも多種多様の仕様があり、今の形になった歴史があると思います。使い方によってはすごく綺麗に(ロックを見せないで済む)できるのでオススメです!

 

ではまた次回に!

 

 

 

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2019年パターンメーキング検定2級②

 

みなさま、こんにちは。

O岩です。

 

梅雨入りして、ジメジメしております。

パターン用紙やシーチングの縮み等、苦労するかと思いますが頑張って練習して下さい(^^)/

 

 

パターン検定試験、二つ目のジャケットです!

 

 

今回のジャケットのパターンを引いてる動画もございますので合わせてご覧ください↓

 

 

 

 

 

 

デザイン画はコチラです↓


 

4つの面のジャケット、プリンセスラインと呼ばれる4面体です。

衿も1型目のジャケットと似たような感じのベーシックな形ですが、4つボタンになります。

 

 

今回もバランスの取り方が難しかったです。

第一ボタンの位置で衿の印象は大きく変わります。

私も何度か修正したので、ここは確実に決めておきたい箇所です!

 

 

 

 

寸法はコチラ↓

 

着丈 = 56cm


肩幅 = 38cm


バスト = 94cm


ウエスト = 78.6cm


裾周り = 98cm


袖丈 = 58cm


袖幅 = 33.4cm


袖口 = 24cm


袖山 = 16.2cm

 

 

ボディは10missです。

会場によってボディは異なりますので注意して下さい。

 

※キプリス9ARが用意されていた場合は肩幅を少し出しておいた方が良いでしょう。

 

 

 

 

 

 

パターンはコチラです↓

 

 

 

ウエストダーツは、後中心1cm、後ろの切替4.2cm、脇で2.4cm、前の切替で1.9cmです。

 

こちらも参考の寸法になるので自分の数字を見つけて下さい(^^)/

 

サイドネックは1型目と同じで4mm削り、衿ぐりには8mm(約3度)程度逃がしています。

前展開の際には7度たたんでいるので計10度程たたみました。

 

 

 

 

 

 

衿腰2.5cm、衿幅4cm、衿の開きは20度くらいです。

ボタンは21mmです。

 

1型目とほぼ同じなのです!(^^)!

 

 

 

 

 

 

 

袖は上記イセ分量を配分しています。

こちらも1型目同様に、ピン打ちの練習は必須ですんでたくさん練習して下さい(^_-)-☆

 

 

 

 

 

 

 

袖下です。

当日、迷わないようにパターンを何度も引いて、作図を頭に叩き込んで挑んで下さい!

 

あ、本番は焦らないように落ち着いて引いて下さいね。笑

 

明きのボタンは18mmにしています。

 

 

 

 

 

 

トワルになります↓

 

 

シーチングへの写し、裁断、ピン打ち、目安の時間は1時間です。

 

袖口のボタンを付けるの忘れた~!という人が過去にいたので、お忘れのないようにお願いします(^▽^;)笑

 

 

 

 

 

 

完成パターンです↓

 

 

名称・地の目・CB・CF・イセマーク・見返し線・ボタン・合印・わのマーク・必要と思われる記号は忘れず記入しましょう!

 

 

 

内袖は反転しての提出です。気を付けましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

工業用パターンです↓

 

 

実際の2級試験では縫代は必要ありませんが参考までに。

 

 

以上、2級の2型目(4面体)でした!

 

練習の数だけ余裕は持てると思います。笑

 

落ち着いて、作図し、落ち着いてトワルを組んで下さい!!!

 

 

ではまた3級のご案内で会いましょう(*^_^*)

 

 

 

ご清聴、ありがとうございました。

 


 

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フライフロント①

天気が安定しませんね・・ :-|

雨が降ったり急に寒くなったり・・一番体調崩しやすい季節だと思うので、空調管理と着る服の調整にはお気を付け下さい・・

こんな時期の休みには↓を参考に家に籠ってイメージトレーニングをw

 

さて、続いて2、3級パターン検定の動画を作成中ですが、ちょっと間に部分縫いを。

 

 

パンツの前開き部分のボタン仕様のでちょっと面白いの見つけました :roll:

↓これです

右の持ち出しでパンツを挟み込んでいます

普通はファスナーが付くのでこの仕様は無理で(ファスナーを折らないとダメになってしまうから)ボタンフライならではです。

40年代くらいのフランスのミリタリーパンツと店員さんは言ってました。

この年代のものはどれも股上が深い :lol: 結構好きです。

 

もひとつ変わっているのは、持ち出しと見返し端が後ろ股グリまで流し込まれていることです。かなりごつくなるので、現代ではあまり見ない仕様です。ほかにもところどころ「?」という仕様があり縫製の手順はかなりイレギュラーになりそうで、やってみることにしました。

この前開きの仕様ですが、ステッチが1本増えるだけでも、縫製手順が大きく変わったり、むしろ縫えないことも多々あるので、実際縫うべきだと思います。

 

・・やはり意外にややこしい・・・

パーツはこれだけあります。比翼布になるので、前見返し側3枚必要ですね。サンプルでスレキのものはチェックで分かり易くしておきました。

持ち出しと比翼布、見返しがややこしいのでいちおうパターンも↑

 

 

前パンツです。これは特にどうということはありません。

まず右パンツを挟む持ち出し(ボタン付いてる方です)の端を地縫いしてひっくり返します。

そのあと裏は地縫いするので、表だけ縫い代を折っておきます。

 

 

次がややこしい見返しと比翼布です。持ち出しと同じように比翼布の表と裏の端を地縫いしてひっくり返します。

次に比翼布と見返しの端を地縫いしてひっくり返します。

↑こんな状態になります。比翼布の裏は生地の厚みを減らすために控えました

出来たらこのタイミングでボタンホールを比翼布の表と裏のみ貫通で入れます(今回ステッチで簡単に表現しています)

・・で見返しと比翼布貫通で押さえステッチを入れて・・(1本だけ入っていてかなり簡易版という感じでした。ちょっと下のほうがペラペラめくれる感じがするので、もう1本入れてもいいかも :-P

 

見返しと左パンツを地縫いして・・(明き止まりまでではなく、下まで地縫いします。これが普通のパンツと違いますね

表から見返し貫通のステッチを入れます。(カジュアルなので股部分は地縫い無しでした。)

 

・・・と長くなってきたので次回また続きを。ウエストベルト挟み込みが中縫いという謎仕様・・・ :roll:

 

ではまた!

 

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