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ドクターコートの運動量

皆さんこんにちは

 

寒くなり、ご自身で作られたコートを着ていらっしゃる生徒さんもちらほらおり、完成度の高さに驚かされます。今月はダッフルコート講習がありました。参加された方で今期の冬物を縫いたいという方は、縫製自体そこまで難しくないので、ぜひ縫ってみてください!

 

それにしてもあっという間に年末ですね、本当に早い一年でした。

 

 

 

公式youtubeにて過去にこちらでも紹介した、ミリタリーについてのパターン、縫製研究が投稿されております。


生徒さんを見ててもミリタリーが好きな方もちらほらいらっしゃるので、現行にはないパターンの考察がとても勉強になりますのでぜひご覧ください!

 

※上の画像をクリックすると動画が視聴できます。

 

 

 

 

今回は機能服のパターンについて考察も含めてご紹介したいと思います。

 

今回このようなジャケットの型を抜いてトワルを組んでみました。

 

 

3面体のドクターコートになりますが、一般的な3面体のコートの形と比べた時にどのようにパターンの形状が異なるのかについて見ていきます。この袖の形について今回は考えてみたいと思います。

 

 

まず、パターンがこちらになります。

 

身頃に関しては一般的な3面体でしたが、鎌底が比較的高めの位置に設定されていました。腕を上げやすくするためではないかと思います。

 

また、ジャケット、コートにしては袖山も低めに設定されています。触ってみた感じだと、いせを多く入れられない生地という理由もありそうです。

 

ここで、医療の現場での動作を考えながら、パターンの動きを考察すると

 

 

・診察、処置、器具操作などの前振り状態

・点滴フック操作、患者の体位変換補助などの腕上げ動作

 

 

が主になりそうです。そのため、一般的な直立・腕自然下垂前提ではなく、前腕挙上を前提に設計したほうが良さそうですね

 

ということもあり、今回のパターンの主な特徴は腕回りにありそうです

 

 

 

背幅もかなり多めにゆとりを取られているために腕がかなり前に振る動きがしやすくなっています。

 

 

 

ただ、今回一番気になったのが、このように前に振り過ぎているために袖が振り戻ってしまっています。

 

パターンを見てみると、身頃で前振りのAHを作っているため、袖自体はそこまで前に振った形状ではありませんでした。

 

 

 

試しに、背幅を削ってみると、このように振り戻しがある程度解消されています。

 

ただ、背幅を削ってしまうと元の運動量が損なわれてしまうので、今回は別の修正を試みようと思います。

 

ここで、袖口部分でひねりを入れることで袖の表情ににどのような変化が起きるのか、確認したいと思います。

 

袖の表情の付け方として、

 

 

・袖山をひねる

・後ろ切り替え線をひねる

 

 

などがあります。これらをすることで、袖にどのような変化が起きるのでしょう。

 

 

①ひねりなしの二枚袖

 


 

②袖山をひねる

 

 

 

「袖山をひねる」については、袖底よりも後ろ側で合わせて袖山を書くことで、袖付け根から前にひねる形状となり袖山周辺の立体感が増してくれます。

 

③袖下でひねる



 

「後ろ切り替え線をひねる」については、後ろ切り替え線の袖口で、外袖と内袖を交差させることで、肘から下にひねりが入り、袖口が内巻きになるような現象が起きます。

 

④袖山、袖下両方ひねる


 

これは②、③を同時に行った場合です。


①②③④の紙を比べてみると、かま底、袖下ともにひねりを組み合わせることでより内巻きに、かつ立体的に仕上がります

 

※右から①→②→③→④

 

 

このように、ひねりを入れることで、袖山が低くても袖口をこのように身頃に近づけることができるうえ、袖全体が立体的になり、メンズなどでよく見られる腕が強調された形状も作ることができます。

 

余談ですが、このような袖の表情の変化は、パターン検定1級の試験においても求められる知識の一つになります。オペラではパターン検定に関する研究も日々行っており、実際に最難関と言われる1級においても高い合格実績があります。

 

過去のブログ『PM検定1級への道のり』にて、具体的な対策内容がまとめられていますので、ぜひそちらもご覧ください!

 

このような袖の修正などは、ラインを変えたらどのような方向にシルエットが変化するのかを分からなければできない修正でもあります。今回以外にも、袖の表情はアイテムによっていくつもあります。その都度身頃に合った袖を作ることができるように、バリエーションをいくつも持っておくとより自由なパターン作成ができるようになります(^^)/

 

 

また、今回の身頃は肩線を大きく後ろに後退させていました。

これに関しても、過去のブログでも古いカバーオールで紹介していますので、過去ブログ『カバーオール2』をぜひチェックしてみてください!

 

 

ブログでは肩線がバイアスで縫い目がないため伸びて肩回りが馴染み、肩先のふくらみを作ってくれるから、と紹介していましたが、医療の分野で考えたときも、かなり納得のいく理由ではないかと思います。多くの方の肩回りになじませるために、肩線を後退させてバイアスの性質を利用しているのではないかと思います。

 

古い洋服で見られる仕様ですが、この辺の形状を採用しているのは凄いですよね( 一一)

 

 

次に仕様に関してですが、仕様自体は比較的簡単で、今回のドクターコートに限らず、主にロック始末で、洗濯をガシガシしてもいいように作られていました。

 

 

他にも、生地はかなり考え込まれていて、通気性、伸縮性、シワになり難さ、吸汗速乾性、ストレッチ性、防透性、静電、抗菌性など、その着用シーンに応じて最適な生地と、洗濯しても劣化しにくい仕様を考えられており、素材にこだわっているものが多い印象でした。

 

 

このように、特定の職業のために作られた今回のドクターコートのように、極端な動作に対応できる洋服を見ることで、ご自身のパターン修正の幅が広がるかと思います。

 

今回の考えを踏まえて、次回実際の袖の不具合を修正をしていこうと思いますので、お楽しみに!

 

 

今回の投稿で年内のパタンナーズライフは最後になります。皆さん今年もお世話になりました。よいお年を!

 

 

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裏地の運動量について~裏打ち編~

皆さんこんにちは

 

 

オペラでは今月、パターン検定3級に向けて、受験される生徒さんが練習を反復する期間となっていました。毎年この3級でパターン検定を締めくくるので、有終の美を飾ってほしいですね!

 

 

 

ここでお知らせです。パターン検定1級を目指している方はすでにご存じかもしれませんが、公式ホームページにて 「実技試験に関する傾向と対策」 が公開されています。

 

内容としては次のようなポイントがまとめられています。

 

・課題デザインとの相違

・構造線の誤り

・パーツ不足

・身頃や袖の未完成

・縫い代処理の欠落


など、採点で特に重視される項目が明確に示されています。

 

また

 

・バストダーツとウエストダーツのバランス

・ビン打ち位置とラインの滑らかさ

・前端や裾の折り返し処理


など、シルエットが崩れやすい典型例と対策が紹介されています。

 

 

さらには1級で合格するための姿勢として、

 

・時間内に作るだけでは不十分

・組み立て後の「見直しと修正」が必須

・完成度の高いトワル提出が求められる


といった、試験に向かう考え方も示されています。

 

 

公式サイトでは、写真付きでより詳しい例が掲載されています。

受験予定の方はぜひ公式ページをチェックしてみてください!!

 

ホームページはこちらから

 

 

 

さて、今回は裏地の考え方についてご紹介したいと思います。

 

 

裏地の運動量について調べてみたくなったので、持っている服などで分かったことをお伝えします!

 

スポーツジャケットのようなものを古着屋で見つけたのですが、裏地はやや伸縮性のある素材を使用していました。

 

 

こちらが身頃のパターンです。

 

まず何が気になったのかというと、裏地と表地が同じパーツになっていた点です。前身頃に関しては全く同じ全面芯の見返しが付き、後ろ身頃、脇身頃は裏打ちの仕様になっており、裾の見返しは表地裏地共に中縫いしていました。キセなどはなかったですが、寸法を確認したら、実際3mmほど長く作られていました。

 

 

ここで裏地の主な役割をまとめると

 

・保温のため

・裏の滑りをよくするため

・表地の形を安定させるため

 

などがあります。

 

そのため摩擦で毛玉になりやすい生地の場合は総裏にしたり、薄い夏物素材の場合は背抜きにしたりと、役割から考えることで、どの仕立てにするかを考えるようにします。

 

ただ、裏地を付ける上で何より注意しなくてはいけないのが、表地と運動量との兼ね合いです。

 

基本的には裏地にはキセを入れます。理由は一般的に裏地は伸縮性がないため、表地の動きについていかないためです。裏地のキセは表地のパターンがタイトになればなるほど必要不可欠になってきます。

 

※ただ、フレアシルエットのように身頃の幅が広いアイテムの場合はキセが不要になる場合もあります。また、表地が全く伸びないときはキセをいれない場合も多いので、必ず必要というわけではない点は注意が必要です

 

 

 

ここで余談ですが、スカートや身頃のウエストダーツの倒し方向ですが、基本的に厚みの分散のために裏地の倒し方向は表地の逆にしているものが多いですが、透ける生地の場合は、表地と同方向にするようにしましょう。

 

 

ただ、裏打ちで仕立てる場合は図のように一緒にタックを取ります。

 

 

次に、裏地のふらしと裏打ちについて、トップスやスカート全般で共通する考え方をご説明します。

 

 

 

例えば写真のような脇の切り替えで考えると、ふらしは図のような状態で、数ミリのキセが入ります。

 

 

対して裏打ちは先ほどのタックのように表と一緒に縫いこむ仕様になります。裏打ちは裏地のゆとりは入れない場合も多いので、伸縮性のある素材を裏地に使うのがおすすめです。ただ、裏打ちにする理由として、運動量というよりは表地の保形や強度を上げるなどの目的のほうが強い気がします、、

 

今回参考にしたジャケットの仕様は前身頃の形と全く同じ見返しパーツが付き、脇身頃、後身頃はそのまま裏地と一緒に縫い合わせて袋縫いという仕様になっています。

 

 

裏地は縦方向に3mmほどのゆとりが入っており、表地と縫い合わせる際に少しいせて縫われています。

 

 

これは、裏地自体が横方向に伸びるものの縦方向の伸縮性がなかったためです。一方、横方向には十分伸びてくれ、運動量的には問題ないため、切り替え線上でのキセは入れていなかったです。

 

 

実際の縫い方を簡単にご紹介すると

 

 

まず地縫いの前に表地と裏地を各パーツ仮止めします。この時、後ろと脇の切り替え部分は袋縫いするので捨てミシンを入れますが、ややいせ気味に縫います。

 

 

 

 

前身頃だけは全面見返しになるので、前脇は中縫いして表と裏で包み、裾と肩線が中縫いされ、前端はバイアステープで包むという仕様になっていました。

 

 

少し変な仕様ではありますが、実際に縫ってみて感じたことは、身頃は前も後ろも全面芯にしていたことを考えると、裏打ちにしていた理由はやはり型崩れを防ぐためではないかと思います。また、袋縫いにしているのもきれいな形を保ったまま、ある程度の丈夫さがほしいという、スポーツジャケットならではの考え方ではないかと思います。

 

 

このあたりはよく考えられているなと感心しました。

 

まとめとしてはこのような仕様(後ろ・脇身頃裏打ち、袋縫い、前身頃と前見返し共通パーツ)のメリットは

 

・裏地を表地と同じ扱いで考える(キセなどは考えない)ので縫製が楽

・表地と裏地が一緒に縫われ、また袋縫いにすることで表地を裏側から支える役割になる。

 

などがあります。ただ、デメリットとしては、

 

・裏地がくっついていることになるのでゆとりが適切でないと表地がすぐにつってしまう

・薄い表地の場合、裏地の縫い代やゆとりが表側にも響く

 

といったところではないかと思います。

 

そのため、今回のように伸縮性のある素材を裏地にしつつ、それが響かない表地にするという生地選択がきちんとできると、簡単で形が安定した裏付きジャケットを縫うことができるので、皆さんもぜひこの仕様を日々の服作りにも取り入れてみてください!

 

ではまた!!

 

 

 

 

 

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パンツウエストゴム仕様について

皆さんこんにちは

 

あっという間に10月に入りました。最近はかなり涼しくなってきて、夏が終わったことに少しだけ寂しさも感じています。これから寒い季節が始まりますので、皆さんも体調には気を付けてお過ごしください!

 

オペラでは10月期に入り、新規の生徒さんの授業も始まっております。オールアイテムのパターンを引けるようになりたい方、検定を取得したい方、自分の洋服の修正方法を知りたい方など、目標は様々いらっしゃいます。オペラでは通常課題に加え、その方に合わせた自由課題もできるので、初心者の方でも最初に基本的なカリキュラムを学習したあと、自分の設定した目標に向かって最短で学習することも可能です。

 

 

10月期の途中入学も引き続き募集しております。まだ空き席がありますので、検討されている方はお早めにご連絡ください

また

授業見学もできますのでお気軽にお越しください!

 

 

 

今回はパンツのウエストゴムの縫製について、簡単で面白い縫い方を見つけましたのでご紹介したいと思います。

 

 

今回の縫い方はベルト裏の後ろ中心でベルト通し口を作っておく仕様になります。

 

この縫い方のメリットはベルトを伸ばしながら縫う必要がない点にあります。

 

では早速縫っていきましょう!

 

 

まずベルトをCB接ぎにし、ベルト裏CBの位置をゴム通し口として補強ステッチを入れておきます。あとでここからゴムを引っ張り出すことになります。

 

 

ちなみにベルト裏側の縫い代は数ミリ出してプレスしておきます。この時、ベルト裏の縫い代にコバステッチで捨てミシンを入れておくと縫い代が安定します。

 

辺は別のブログ『パタンナーのたまご』にてご紹介しているのでぜひご覧ください!

 

 

 

ベルトの地縫いをし、左右端も中縫いしたら、縫い代にゴムを仮止めし、表に返し、ゴムを収納したら、安全ピンなどで先を止め付け、そのまま落としミシンをしていきます。

 

 

後ろ中心まで落としミシンできたら、今度は逆側も同じように縫います。

 

 

ここまできたら、後ろ中心のゴム通し口から左右のゴムを引っ張り出します。ちなみにこの時安全ピンを付け忘れると引き出すのにかなり苦労しますので注意です( 一一)

 

 

 

 

引っ張り出したら、ゴムの左右同士を縫い、割りアイロンをし、再びベルト内部へ収納します。

 

 

 

 

また、前パンツ中心部など、ゴムを伸ばしたくない箇所がある場合はゴムを引っ張る前にステッチで縫い止めておきましょう!

 

 

 

以上で完成です。

 

普段ゴムを伸ばしてパンツを縫製されている方にとってはかなり簡単に感じる仕様ではないかと思います。

 

こちらの使用のメリットはなにより

 

・ゴムを伸ばしながら縫う必要がない

・ウエストのサイズ変更がしやすい

 

という点にあります。

 

量産を前提とする場合やサイズ調整を前提とする場合はかなり使い勝手の良い仕様ではないかなと思います!

 

以上、パンツの仕様にお困りの方や、パンツを縫ったことがない方など、中々縫いやすい仕様かなと思いますので、ぜひ試してみてください!

 

ではまた!

 

 

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PM検定1級に見事合格した生徒さんにインタビューしてみました!

皆さん、こんにちわ

 

ようやく茹だるような暑さが収まってきましたね( ;∀;)

ちょっと気が早いかもしれませんが、今年も残すところ4カ月となりました

気温も下がってきて外出がしやすくなってきたので、今年やり残した事がある

方は是非色々チャレンジしてみて下さい(^^♪

 

 

 

9/14(日)より10月からの生徒さんを募集開始しています

まだ空き席もありますので、検討されている方はお早めにご連絡ください

また

授業見学もできますのでお気軽にお越しください!

 

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↓11月29日(土)に行われるパターン検定3級の2型目をブログにて解説していますので是非ご覧ください!

近日YouTubeでも解説動画を投稿しますのでお楽しみに!

 

2025PM検定3級2型目

 

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見事今年のPM検定1級にル・オペラ東京校から合格者が出ました!

試験対策などPM検定1級について色々インタビューをさせていただきましたので、必見の内容となっています(^^♪

 

 

 

 

今回合格した生徒さんは、CADオペレーター→品質管理→パタンナーと言う職歴で

今現在パタンナー職として勤めています。

 

 

 

それではインタビューを内容を紹介します。

 

 

Q.オペラに通われて何年ですか

今年で10年になります

途中、育児や保育で半年間お休みしていた時期もありましたが、

週1回のペースで通っています

 

 

 

 

Q,1級についてのインタビューの前にパタンナー職に就いた経緯やル・オペラの講習で活かされた事はありますか

前職の品質管理の仕事で検品をする際に、パターンが理解出来ていないと報告が出来ないような事案が多かったので、ル・オペラの「理論的なパターン」の指導がとても活かされました。

パターンの理論を学んでいくうちに段々パタンナーになりたいと言う思いが強くなり、今現在ユニフォーム会社のパタンナーをしています

ル・オペラのパターンセミナーのカリキュラムの流れが、1stパターン→修正→工業用パターンと言った務と同じ流れで課題を進めるので、志望していたパターンナー職に就く事ができ、実務でも役立っています


 

 

Q.何故1級を受験しようと思ったのですか

ル・オペラに通い始めた頃に検定の存在を知り、いつか1級を取得したいと思っていました。当時はほぼパターン初心者だったのであまり現実味の無い目標でしたが、3~2級と受かった為、1級に挑戦しました。しかし、なかなか合格できず今回で3回目の受験でした。

 

 

 

 

Q.どれくらい練習しましたか?

感覚を忘れないように、前回の試験が終わった直後から少しずつ始めました。

始めは何故不合格だったのかを自分なりに振り返りました。

本格的にトワル練習を始めたのは試験2か月前くらいからでした。

 

 

 

 

Q.どんな練習方法でしたか?

なかなかまとまった時間が取れなかったので「今日は身頃の製図練習、今日は袖」と

言った感じで細かく分けて練習をしました。

家族もいて作業部屋が無いのでリビングの机で製図の復習をしていました(笑)

通勤電車の中では、ル・オペラの”1級対策動画”を繰り返し見てイメージトレーニングをしました。またトワルは先生に教わったくせ取りを何度も練習しました

 

 

 

 

Q.本番はどうでしたか?

あらかじめ、時間配分を決めてから挑みましたが、ボタンの位置で悩んで時間をロスしてしまいました。

ギリギリになり、見直しの時間がほとんど取れなかったので工業用パターンのパーツ漏れなど無いか不安でした。

試験後は「今回もダメだったかな」と感じていたので合格通知を見た時

はとても嬉しかったです。

 

 

 

 

インタビューを受けて頂いてありがとうございました!

改めて合格おめでとうございます!

ル・オペラの講習中では検定前でもご自身の課題をしっかり進めていたので、いつどんな練習をしているのだろう?と私も気になっていましたが、復習動画を活用しながら隙間時間を有効活用していたのですね(@_@)

 

 

 

では来年1級を受験される方に少しでもお役に立てたらと思います!

 

 

 

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スラックス修正

皆さんこんにちは

 

 

お盆も終わり、夏も後半に入っておりますが、暑さは相変わらず収まる気配がありません。

 

この時期になるとラジオでは夏の終わりソングが流れるため、現実とのギャップに毎年違和感を覚えます。お盆明けの体調不良が多いらしいので皆さん気を付けましょう!

 

9月14日(日曜日)から新規の募集がスタートします!

10月から入学を考えている方はお早目に手続きをお願い致します!!


また


東京校のみ9月14日(日曜日)10時~12時まで 13時~15時までで無料体験セミナーを実施しますので、お早目にお電話でのご予約お願い致します!!


無料体験セミナーのご案内(東京アトリエのみ) | 東京・大阪の現役パタンナーによるアパレルパターン・ソーイング・洋裁教室・学校 (leopera.com)


東京校 TEL03-5473-1519

東京校のみの開催となりますのでご注意下さい !

 

 

 

 

 

さて、私物のスラックスを修正しましたのでご紹介したいと思います。

 

縫製については『パタンナーのたまご』にてご紹介しておりますので、良ければそちらもご覧ください。

 

まず、今回型を抜き、縫製の練習もかねてそのままの形で一度縫製しました。

 


 

それがこちらです。気になった点としては、

 

・タックが開きすぎていて、〇の部分で余っている

・後ろのヒップのゆとりが少ない

・後ろのしわが多く。前が少ない

・後ろのヒップ下の斜め皺

・股ぐり形状

 

タックに関しては、元の設定の角度が大きすぎるため、履いた時に開いて太腿あたりで布が余ってしわになっている状態です。

また、タックが開くことによって脇線が後ろ側に流れています。そのためタックの角度はきつく修正します

 

後ろのヒップが足りていない原因としては、寸法を確認すると、前後のウエストの寸法差が大きすぎるからと考えられます。脇線が前側すぎるため、本来脇位置で取りたいダーツが前進してしまい、ゆとりがなくなっています。修正としては、脇線を後退させつつ後ろのヒップにゆとりを入れるためにダーツ分量を増やしました。この時、脇でダーツを取り過ぎても脇が丸く見えすぎるので必要最小限の追加にします。

 

次に前後のしわについてですが、後ろの太腿に布が当たっています。これは後ろの寝かしが多く、前の寝かしが少ないのが原因です。また、体型的にも私は反身体なので、パターンで設計した運動量以上に、体型に対して後ろの丈がより長く、前の丈がより短くなってしまい、しわがかなり目立つ状態になっています。既製品だとどれもこのようなしわが出てしまうので、反身体の人間にとってはこのしわはよく見るしわかと思います

 

 

 

原理としては上の図のように。後ろの寝かしを増やしていくと脇から見たとき、筒自体が前に振っていきます。

 

 

 

 

反身体になると腰が反り上がってくるので、余計に前に振ってくることになります。

 

このように、寝かしの不具合は体型的な問題によっても起こるので、修正の際は適宜股上の長さを調節する必要があります。

 

 

次の問題としては、後ろのヒップ下に斜め皺ができている点です。内股のカーブが強く、脇線のカーブが緩いため、中心線が脇寄りになっています。ジーンズなどカジュアルなものに見られる形状になります。開脚気味に作られていますが、スラックスなので、今回は内股線と脇線の位置を移動することで修正しました

 

最後に股ぐり形状ですが、前の股ぐりが当たっていたので、少し削りました

 

 

以上の修正を行ったパターンがこちらです。

 

黒が修正前で、赤が修正後のラインです

 

修正前と比較しながら見てみましょう。

 

 

後ろのヒップで不足していたゆとりを追加したことで当たりがなくなりました。

ヒップ下の斜め皺もさほど気にならなくなり、修正前よりスラックスらしいシルエットになりました。

 

また、後ろから見たときの皺も少し減りました

 

 

股下が少し長い点や、タックの分量や角度が左右違って見える点など、一回の修正なので微調整でまだまだ修正の余地はありそうですが、気になっていた問題はそれぞれ解消に向かったように感じます。

 

 

 

今回はいくつかの修正を同時に行いましたが、修正は同じ生地で一箇所ずつ変化させていった方が不具合に対しての修正が見えやすいので、より細かいところまで勉強できると思うのでオススメです!

 

今回のパンツは通常のベルトタイプに比べて少し変わった仕様や厚み軽減の意図が見られたので、縫製面でもとても勉強になりました。

 

自分の着ている洋服をパターンを抜き出し、実際に同じ仕様で縫ってみることは勉強に最適ですし、オペラの生徒さんは普段の授業で修正や仕様の引き出しが養われていると思いますので、自分の体型に合わせつつお気に入りの仕様やデザインに変更させることもできるかと思いますので、難易度は高いかもしれませんがぜひチャレンジしてみて下さい!

 

ではまた!!

 

 

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受講生の皆さんにアンケートを実施しました

皆さんこんにちは

 

東京は少しずつ桜も咲き始めていて、この時期が一番気持ち良いですね(^^♪

 

オペラでは現在来期に向けて、皆さんが快適に授業を受けられるように設備のメンテナンス等を行っております。

 

休講中の説明、申し込み受付時間については

東京アトリエは25~29日14:00~20:30の時間帯のみとなりますのでご注意ください

 

さて、オペラでは毎期パターンセミナーを受講されている生徒さんにアンケートを実施し、その方の希望やご経験になるべく合わせて授業を行うための指標にしています

 

 

そこで今回は、今期セミナーを受講された生徒さんのアンケートから見えてきた傾向や将来の志向などについてご紹介します。

 

主な年齢層

 

 

主な年齢層として、今期で言うと20代の方が全体の36%と比較的多いですが、毎期の傾向としては20代、30代、40代以降の生徒さんが同比率くらいの分布になります。

 

 

パターン経験について


生徒さんのなかには企業に勤めるパタンナー、あるいはスタイリストや縫製、お直し、その他アパレル業界で働かれている方も在籍されています。

 

また、専門学校を卒業されてからオペラに通い始める方、昔服作りを学んでいたが期間が空いてしまった方なども多くいらっしゃいます。

 

もちろん未経験の方も多く在籍しており、パターン経験に関しても生徒さんによって様々になります

 

 

受講動機

 

受講の理由については主に以下の3つの理由が挙げられます

 

・自分用、子供用の完成度の高い洋服を作りたい


・企業での業務に生かしたい


・就活、転職に向けて基礎を固めたい

 

 

興味のあるジャンル


生徒さんが製作したい、学びたいアイテムとしては、レディースのカジュアルウェアを希望する声が多く、現実的にニーズのある年齢層に向けた服作りを学びたいという現実感ある視点が印象的でした

 

また、男性の方はユニフォーム、ワークウェアなどを希望する方も一定数いらっしゃいました。

 

ちなみに、自宅で余った着物地をリメイクしたいという方もいらっしゃるため、オペラでは着物リメイクのデザインなどを取りそろえ、希望する方はそちらも講習に加えて学んでもらうことも可能です。着物リメイクな関しては近日中にブログにUPしますのでお楽しみに!

 

 

講習以外で興味のある内容

 

通常のパターン講習以外に興味のある内容については主に

 

・グレーディング


・検定対策

 

 

などが挙げられました。

 

オペラでは通常講習以外でも特別講習という一つの内容に特化した講習も行っており、そこではグレーディング講習や検定の模擬試験等も行っていますので、そちらに参加することで普段の講習に追加して知識を深めてもらうことが可能です!

 

 

自由記述

 

自由記述では「学習したことの応用方法」「個人ブランドを立ち上げるための知識が欲しい」といった声があり、今後の講習カリキュラムの充実に向けて貴重なヒントとなりました!

 

今回のアンケートから、実務経験者のスキルアップ志向と、未経験者の就職、自立への意欲が見えてきました。年齢、経験の幅が広いからこそ、互いに刺激し合いながら学べるのがオペラの大きな魅力でもあります

 

今後もこのような声を大切にしながら、より柔軟で実践的な学びの場づくりを進めていきます!

 

ではまた!

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パンツの裏地について

皆さんこんにちは

 

3月2日の体験セミナー引き続き募集中です!

https://www.leopera.com/news/20250118/1086

東京校のみ開催でお電話でのご予約お願い致します!

TEL03-5473-1519 ル・オペラ東京校

 

あっという間に2月も終わりに差し掛かり、今期の授業も残り少なくなってきました。

 

今期入学された生徒さんから中々複雑な質問もされるようになり、こちらとしても勉強させられることが多いです(^^)/。あと一カ月弱、残りの課題も頑張りましょう!

 

 

さて、今回はパンツの裏の仕様についてご紹介したいと思います。1箇所だけ、というよりは見たことはあっても意外と仕様や意図が分からない箇所をピックアップしていきます!

 

 

①ベルト、持ち出し裏のスレキ

 

まず、持っているパンツを見ていると、裏面に裏地とスレキを使い分けているものがありました

 

 

特に、ドレスパンツなどの前明きの持ち出しの裏面、ベルトの裏面は薄い素材のものが多い印象です

 

これは単純に厚みを軽減するためでもありますが、コスト削減の目的もあるかと思います。またシャツをインすることが多いために、厚みを抑えつつ、かつ滑りの良さでシャツの収まりを良くすることも出来ます。逆にミリタリーやワークウェアなどの場合は裏面も表地のタフさが欲しいため、裏面も表地を使うことも多いです

 

 

また、ベルト裏によく使われているこのようなテープの付いた生地も、滑り止めとしての機能があり、シャツのズレ防止になります。これはフォーマルウェアだけでなくスポーツウェア(ゴルフウェアなど)などにも多く見られるほか、オーダーメイドのスラックスなどで高級感を出す目的で採用されることも多いそうです

 

ちなみに、ベルト裏のスレキはパンツ裏専用生地として売られています。裏付きの前明き、ウエスト周りの縫製はまた機会にご紹介します!

 

②ガゼットクロス

 

 

股ぐり部分にこのような丸いあて布が縫い付けられているものがあります。股ぐりは着用時に最も摩擦や負荷がかかるため、補強布を入れることで生地そのもののダメージを軽減します。また、これにより縫い目が裂けるのも防ぐことが出来ますし、肌へのあたりも軽減出来ます

 

これはスーツパンツに限らずミリタリーやスポーツウェアなど多くのアイテムに見られます

 

③前パンツのみに裏地

 

 

歩行時や座る動作により、パンツは着用していくうちに膝部分が伸びることが多いため、表地の摩擦を軽減するために前側のみに裏地が使われていることがよくあり、これにより膝の滑りを良くすることが出来ます

 

ちなみに、裏地の裾は断ち切りにされているものも多く、ヒートカットなどによりほつれを防止して、三つ折りなどによる余計な厚みを避けています

 

ここで、総裏、膝当て裏(前のみ膝丈まで)、半裏(前後共に膝丈まで)、裏なしが採用されるケースと、メリットデメリットについて説明していきます

 

総裏

 

総裏に限らず、裏地のメリットとしては

・防寒と耐久性に優れる

・摩擦によるダメージ防止

・シルエット保持

 

などがあるので、ウール素材のパンツや、礼服、タキシード、などは総裏仕様のことが多い印象です。

 

裏地が付くことのデメリットがあるとすれば、厚みが増す、通気性が悪くなる、コストがかかるくらいなので、高級なものほど総裏が多いですね

 

前のみ

 

今回のような前側のみひざ下まで使われるものは総裏よりも少しカジュアル向きなものが多いです

 

前部分のみに裏を付けることで膝の伸びを軽減するうえ、総裏よりも軽く、コストを抑えることが出来ます。

 

デメリットとしては後ろ側が摩擦に弱い生地の場合、毛玉などが出来やすくなります

 

前後両方

 

前だけでなく後ろのヒップ下から太もも辺りまで裏地が付いているものです

 

前のように膝丈くらいまで長くしないことで軽さをある程度確保しながら、ヒップ周りの摩擦を減らすことが出来ます。これにより機能性と軽量化のバランスを取っているとも言えます

 

裏なし

 

裏地なしのパンツは軽さやコスト面でのメリットが大きく、通気性を重視したいパンツ(など)に多く見られます

 

またチノパンやデニムなどはカジュアルなどカジュアルなどのように生地自体が丈夫なため裏地が不要となるものもありますし、ミリタリーやワークパンツなどは機能性、耐久性、実用性を最優先に作られているため、裏地が付かないのが一般的です

 

これらのアイテムは裏地があることで逆に表地の破れなどを補修しにくくなる、というデメリットもあります。乾きやすさや重量などを考えても、寒冷地用などでない限り裏地は付けないほうが良いとされているようです

 

裏なしのデメリットしては丈夫な生地とはいえ着用していくと膝部分が伸びてしまう点、裏なしのため落ち皺などが出来やすい、などがありますが、ミリタリーやワークウェアで見られるモールスキンやヘリンボーンなどは


・高密度で丈夫

・形状保持力が高い

 

などの特徴により影響を最小限にとどめます。そう考えると、よく考えられて作られているなと感心しますね(^^)/

 

 

ここで、膝部分が伸びたパンツのアイロンによる修正をご紹介します

 

 

 

 

 

 

 

履いていくとこのような膝部分で溜まったような皺が目立ってきます

 

 

これは膝の地の目が歪むことで起きるため、アイロンである程度歪みを修正することが出来ます。まず、正面に蒸気を当てながら浮いた分をつぶすイメージでプレスします。この時に浮き分を逃がさないように意識しましょう

 

 

 

 

 

これだけでも浮きはある程度軽減できますが、脇から見ると赤丸の部分がまだ前に出ているのが分かります。そこで、膝部分が凹むようにくせ取りを行うことで、脇から見て不格好に見える膝の膨らみもなくすことが出来ます

 

くせ取りは製作の段階でのみ行うと思われる方もいらっしゃいますが、既製品であってもくせ取りを行うことで、体型に合った形に調整することが出来ます。特にウールなどは熱と蒸気により繊維の結びつきを一時的に緩め、冷やすことで形が固定される熱可塑性という性質が強いため、より効果は期待できます

 

参考までに、以下の動画でパンツのくせ取り、既製品のアイロン掛けについて紹介していますので、良ければご覧ください↓

 

 

 

 

ここまでパンツの裏面について幅広く説明しました。調べてみて裏地の付き方一つ取ってもバリエーションがあり、しかもその用途あるいは表地の種類に応じて選ぶことが大切であると改めて感じました

 

今回は浅く広い内容になったので、今後はアイテムごとの特徴や生地などについてご紹介できればと思います

 

ではまた!

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フードが収納された衿

皆さんこんにちは

 

新年が始まったと思ったらあっという間に一月が終わろうとしています

 

今期入学された生徒さんも課題が進むごとに新しい発見があるようで、毎回新鮮な反応をしています

 

オペラの課題はアイテムが進むにつれて徐々にパターンの力が付くように設定されているので、進めてもらえると自然と自分で不具合を見つけられるようになったり、自分用の原型も作れ、既製服にはない着心地の服を作れるようになります!

 

 

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今回はよく見るけれど意外と仕様が分からない、フードが収納された衿についてご紹介します!

 

 

 

元々はミリタリーに見られる仕様で、現在はアウトドアやスポーツウェアなど、多くのジャンルで採用されています

 

縫い方自体は意外と簡単です!

 

表衿と裏衿を中縫いしたら、ポケット口に平行なステッチを入れ、ファスナー位置に矢羽状に切込みを入れます

裏から切り込んだ縫代をプレスしてから表に返します。出来上がった窓にファスナーを縫い付けていきます

 

 

このタイミングで綾テープやマジックテープが付いたりしますが、今回は割愛しますが、他にもドローコードやスナップボタンなどを付けてみても良いかもしれません(^^)/

 

また、フードインカラーは収納時の見た目と展開時の実用性を兼ねたいアイテムなので、ムシ隠しにしたり止水ファスナーなどにしても良いかと思います(^^♪

 

 

ファスナーが付いたらフードを差し込み、フード表面と表衿裏面を合わせて縫います

 

 

 

基本的には縫い方は以上になりますが、ここで起きやすい不具合としては、フード収納時、またはフード展開時において、衿が後ろに引かれてしまう不具合です

 

 

この時、考えられる原因をいくつか挙げてみます

 

・衿ぐりが広く作られている

 


 

フードを収納すると衿が膨らみネックに近くなるため、製品を見ていても衿ぐりが広く設定されているものが多く、それが衿が抜ける原因になっていると言えます

 

・フードの素材が重すぎる

 

フードの素材や厚みが重く、衿の構造がその重さを支えられないため、なるべく軽量なもの(ナイロン、ポリエステルタフタなど)にするのがオススメです!

 

また、フードの大きさを小さくすることも、場合によっては必要かと思います

特にミリタリー物のフードはヘルメットの上から被る想定で設計されていることが多いので、サイズの見直しは効果的な場合が多いです

 

ちなみに今回はウールの衿に対しフードはポリエステルタフタを使用したことで、そこまで厚みは出ませんでした

 

 

ここで、見かけたことのある衿とフードの素材の組み合わせを表にしてみましたので、ご参照ください(^^)/

 

 

・収納に問題がある


収納方法が適切でないため、内部で重さに偏りが生まれて衿が抜けてしまうケースもあります。ちなみに、後ろに抜けた写真はフードを一箇所に偏らせてしまい込んだものになります。この場合はフードの折り目状にステッチを入れるなどして対応しても良いと思います

 


・衿の構造がフードの重さに対応していない

 

衿側の幅や強度に問題がある場合もあります。内側で厚くなりすぎる場合は衿幅を考え直す必要があります。固めの接着芯を使用したり、デザイン上許されるのであれば補強のためのステッチを入れることで強度になり、膨らみを抑えることができます!

 

 

また、重さという意味ではミリタリーのように前身頃のポケットを多めに付けることで後ろに引かれるのを防ぐ役割もありそうな気がします

 

他にも

・フードの形状が抜けやすく出来ているため付け線側を修正する

・衿ぐりのカーブに問題がないか確認する

・衿自体をもう少し畳み、首に近づける

 

など、パターンの観点からも見直す場合もありますので、縫ってみて着用した際に窮屈に感じたり、後ろに引かれる感じがした場合は、素材選び、縫製、パターンそれぞれに立ち返ってチェックしてみてください!

 

ではまた!

 

 

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子供服

皆さんこんにちは

 

あっという間に今年も残すところあと1週間となりました

 

世間的にはすっかりクリスマスムード一色ですね。

皆さんは世界には厳しい試験に合格しなければなれない公認サンタクロースがいることを知っていますか?

 

彼らは総勢120名で、試験はサンタクロースらしい体型(調べたところ120kg以上)や煙突を昇るための身体能力を求められるそうで、ひょっとしたら子供の頃に来たサンタクロースも公認サンタだと思うと夢がありますね(^^♪

 

クリスマスが終われば今年はもう終わりです。気持ちよく来年を迎えられるように掃除等々準備したいと思います!

 

 

さて、姪っ子用の子供服を製作しましたのでご紹介します!

 

まず、子供服を作る上で重要なポイントは体型的な特徴です!

 

子供服は大人の服を小型化だと思う方もいるようですが、実は全く違います!

 

まず、子供の体型の大きな特徴として


・お腹が飛び出ている
・頭が大きい
・足が短い


などが挙げられ、このポイントを処理する必要があります

 

まず、子供用の原型は身頃に対して衿ぐりが広く作られます。これは、頭が大きいので衿ぐりが狭いと頭を通せないためです

 

そのため、衿を付けたときに首から離れて衿が抜けるという不具合が起きやすくなります

 

子供服の台衿やフードを確認したところ、抜けないように比較的畳むことでネックに近付けた形状のものが多かったです

 

 

上のフード付け線の高低差を多く付け過ぎるとフードを被らずに着用した時にフードが抜けて後ろに引かれてしまうので注意が必要です

 

 

子供服はこのような体型的な特徴だけでなく、安全面に配慮して作る必要があります

 

例えば幼稚園や学校ではフードの付いた洋服を禁止している所も多くあるそうです

 

そのため今回はフードはマジックテープで取り外しできる仕様にしようかと思います!

 

 

このように台衿が内側に付き、台衿とフードが止め付けられる仕様です

 

衿ぐりはリブで伸ばし付けしているため、多少首に沿った衿になっているので、内側にくる台衿もかなり畳み、このような反り上がった形状の台衿にしました

 

 

これにより、このようにシワが重なって衿でごわつくのを防ぐことが出来そうです

 

 

また、飛び出したお腹まわりがあるので身幅は多めに設定しています(^^♪

 

裾のリブはお腹を避けるようにローウエストで絞り、裾が遊具等で引っかからない様に伸ばす倍率を高めにしています

 

 

完成です(*’▽’)

 

 

今回はしませんでしたが、女の子用であればハイウエストでフレアやギャザーのデザインにすることでお腹のゆとりにしながら足を長くする効果もあるのでおすすめです!

 

今回は少し地味になり過ぎたかな、と反省です(-_-)

 

子供服は体型的な特徴をカバーしつつ最低限の安全性を確保したものである必要があり、そのデザインとパターンを考えるのが中々大変だなと感じました。

 

また、同じ年齢でも体型の特徴はかなり異なるので、一回着せてみて起きた不具合にどう対処するかは、普段の課題の基礎的な部分がきちんと理解できているかにかかるなと思います!

 

お子さんのいる方は是非お子さん用の洋服を作ってみてください!

 

ではまた!

 

 

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カットソーの衿ぐり始末

皆さんこんにちは

 

あっという間に秋も終わり、いよいよ本格的な冬に差し掛かろうとしています

新規の生徒さんを見ているとかなり丁寧に作業される方が多く、トワルの修正や最終的な完成度も高いように感じます(^^♪

 

課題は少しずつ難しくなってゆきますが、この調子で取り組んでもらえると嬉しいです!

 

 

↑今年のパターン検定も残すところ3級の試験のみとなりました

受検される方もそうでない方も参考になる動画になっておりますので是非ご覧ください!

 

 

カットソーによくある衿ぐりの始末や、より簡単に縫う方法をご紹介します

今回はリブネックやフードなどのアイテムの衿ぐり始末を説明していきます!

 

 

まずよく見る仕様としては、共布をパイピングの要領で包んでいる縫い方です

リブの場合でもフードが付く場合でも、基本の縫い方は同じですが、前端の処理の仕方は見返しがある場合とない場合とで違います

 

 

まず、見返しがある場合は衿ぐり始末は前衿ぐりの途中(見返しとの切り替わり付近)で縫い止めているものが多いです

これは前端まで見返しと一緒に縫い付けると厚くなりすぎるためだと思われます。また、見返しと一緒にステッチを入れることで、見返しが伸び止めの役割をになっているとも言えそうです

 

 

 

フードの場合は倒した縫代とファスナーの間に挟みこんで縫い付け、見返しがない場合前端まで一緒に縫います

 

 

ここで、よく見かける縫い方を、直線ミシンのみで縫う方法をご紹介します

 

①共布を包んで縫い付ける場合


 

 

上図は共布を縫い付けた場合の断面図ですが、このようにくるんで縫い付ける仕様はどうしても分厚くなってしまうデメリットがあります(-_-)

 

 

また、場合によってはこのように表から見た時に衿ぐりが膨らんで見えることもあります

 

ここで、共布ではなくテープで縫い付ける方法をご紹介します(^^♪

 

 

このようなニット素材のテープが売られているので、これを共布の代用として縫います

伸縮性があり、薄い素材のものもあるので、衿伏せテープには最適です!

 

②テープを地縫いしてSTする場合


 

テープを縫い付ける仕様として多いのはテープ、フード(またはリブ)、身頃を地縫いし、その後テープを折り込んでSTで叩きつける仕様です

 

 

縫い方自体はほとんど変わらないのですが、裁ち端を折り込む必要がないので、一枚分厚みが減ります

 

 

ここで、さらに薄く仕上げたい時の縫い方として、以下のような仕様があります

 

 

③テープをそのままSTで叩きつける場合


テープを包まずに両端をステッチで止め付けるだけなので、最も厚みのない縫い方になります(^^♪

 

ここで、①、②、③の場合の衿ぐりの厚みを確認してみました。

 




 

 

同一の生地ではないので単純な比較は難しいですが、やはり①と③を比べるとかなり厚みに違いがあります(*_*)

 

③はかなり薄く仕上がるので厚手の生地を使う場合はおすすめですが、縫いズレしやすいので③の場合は洋裁用の両面テープなどを使うと綺麗に縫うことが出来きます

 

また、手元にテープなどがない場合は共布でなく薄い別生地を使って縫うこともおすすめです!

 

手作りで作る方は衿ぐりの始末をロックのみで終わってしまうことが多いようですが、テープ始末をすることで、後ろ衿ぐりの伸びを抑える効果だけでなく、見た目的にもロックを隠せたり、首回りの違和感を和らげることが出来ます


ぜひ参考にしていただき、ワンランク上の洋服を作ってもらえればと思います!

 

ではまた!

 

 

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