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ボディ検証②

皆さん、こんにちは!

 

今週いよいよ梅雨入りの発表がされるとニュースで見ました。

あっという間に六月も終わりますね、、、

 

生徒さんとも課題についてのお話だけではない様々な話題も増え、とても有意義な時間を過ごせているなと感じます

 

最初のうちは飲み込まなければいけない課題の内容も理解できるようになれば少しずつ楽しくなってきます。この調子で暑さに負けず技術向上を目指しましょう!

 

パターン検定2級の参考動画をUPしているので、受検を考えられている方だけでなく、ジャケットのパターンやトワル作りに自信がない方も是非ご覧いただければと思います

 

パターン技術検定2級①合格解説動画はこちらから

 

 

 

 

前回9ARと10missの形状の特徴をお話ししました

 

今回は実際に授業で作るストレート原型においてその特徴がどのように影響しているのかに重点を絞ってご紹介したいと思います(^o^)

 

まず、肩甲骨あたりでの背幅にはそれぞれ寸法の違いがありました

 

 

 

9ARは10missに比べ凹凸の形状が強めであるため幅は〇>△となります

 

サイズとしてはそれぞれのバスト寸法は同じですが、ボディのAHまでの幅は変わってくるのでそれぞれの原型を作る際は注意が必要です(^^♪

 

 

 

 

次に、9ARのボディは腰が沿っている反身体であることが分かります

 

反身体は文字通り体が後ろ側に沿っているということなので、言い換えると

 

後ろはウエストから上側にかけての凹凸が強く、前は弱い

 

ということになります

 

そのため、オペラで使ってもらっているのはストレート原型ですが、タイト原型を作る場合は9ARは10missに比べ

 

後ろのウエストダーツの分量が多く、前のウエストダーツの分量が少なくなります

 

 

ここで、背幅が9ARのほうが広いという話に戻りますが、9ARの背中の形状というのは反身体であることと深く関わりあっているようです

 

調べてみると現代の女性は昔に比べデスクワークが多いため、猫背になりやすいそうです

猫背になると肩も巻き肩になります。

また、猫背になるとそれに伴う肩こりを解消させるために背中を反らそうとする力が働き、その結果反身体になっていくと言われています

 

そのため、9ARの背中の凹凸やその他の特徴も現代人の体型を色濃く反映したものであるかもしれません

 

最後に今回比較したそれぞれのボディのサイズを見ていきます

 

 

9ARと10miss、サイズ自体でもそれなりの違いをありますが、数字だけでは見えてこない形状の違い、それに伴った背幅やダーツ分量の違いはやはり原型を作る技術があってこそ気付くポイントだなあと感じました

 

オペラの授業では実際に9ARボディの原型を作ってもらっていますが、原理や人の身体の形状を学んでもらうことでその方に合ったオリジナルの原型を作れるようにもなります

自分の身体に合った、着心地の良い服作りを目指していきましょう(*’▽’)

 

ではまた!

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ボディ検証①

皆さんこんにちは

 

最近は天候が不安定で、雨の日が続いています。これでも梅雨ではないというのでしょうか、、

 

私事ですが、洗濯物が乾かなすぎて困っています(’‥’)

 

梅雨の時期に差し掛かり、湿気による洋服のトラブルを防止するために、自宅でできる洋服の保管方法を『パタンナーのたまご』でご紹介していますので、そちらもぜひご覧いただければと思います!

 

さて、日々生徒さんが使うボディについてあれこれ考えるうちに気付いたら色々調べてしまったので、その辺りも踏まえてご説明できればと思います(^^)

 

まず大前提に、皆さんマネキン、トルソー、ボディの違いをご存じでしょうか?

 

大雑把ですが、調べてみると以下のような違いがあるようです。

 

マネキン:胴体だけでなく頭部や両腕、両足の全身があるディスプレイ用人形、服作りを          前提としていないため、素材も硬いものが多い

 

トルソー:胴体のみの人形。ディスプレイ用とソーイング用がある。

 

ボディ:トルソーの中でも服作り用の狭義的な意味合いが強い

 

 

ここで、トルソーという言葉はアパレル以外の分野においても聞いたことがある人もいるのではないでしょうか?

そうです、陸上です

陸上競技でもトルソーを胴体部分として扱っていて、フィニッシュの定義を選手のトルソーが5cm幅のフィニッシュラインの手前側に到達することとしています。100m走の最後によく見るあれです。つまりトルソーとは胴体部分のみを指し、調べてみましたが胴体以外の部分も含まれてくると、名称が変わるようでした。

また、トルソーとボディもほとんど同じ意味で使われることが多いとのことでしたが、個人的には同じアパレルでも川上・川下であったり任されている業種によって呼び方が違うように感じます( `ー´)

話は変わりますが、オペラではキプリス9ARの工業用ボディを使用しています。現在最もシェア率の高いのがこのボディと言われています。

ちなみに、工業用ボディとヌードボディでは何が違うかというと、過去のブログでも触れられていますが、

 

工業用ボディ=既製服を作る上で必要なゆとりが入っているボディです。

 

ヌードボディ=人体のサイズに近い形状・寸法で作られており、ゆとりの入っていないボディです

 

工業用ボディ ヌードボディ

 

一般的に我々が服作りに使用するのはゆとりを考慮された工業用ボディの方ですがメーカーによってゆとりの寸法や形状に違いがあります。

 

 

ここで、オペラで使用しているキプリス9ARとドレスフォームのMiss10の主な違いを見ていきたいと思います。

 

キプリス9AR                                                        ドレスフォームMiss10

 

まずバストラインですが、キプリスはバストポイントから脇線にかけてやや平面的なラインであるのに対して、ドレスフォームは比較的丸みのあるシルエットをしています。

 

キプリス9AR                                                        ドレスフォームMiss10

 

後ろですが、キプリスは上の矢印の位置の凹凸が強く、ドレスフォームは前側と同じく丸みのある形状であることが大きな特徴です

 

 

続いてヒップラインを見ていきます。

キプリス9AR                                                        ドレスフォームMiss10

 

前側はドレスフォームと比べると、キプリスはお腹の辺りが平面的で前脇の矢印の位置がかなり凹凸が強くなっています。

 

キプリス9AR                                                        ドレスフォームMiss10

 

後ろも写真では見づらいですが、やはりキプリスの方が曲線の質が場所によってかなり違うように思います。

 

 

バストライン、ヒップラインを見ていただいて分かるように、ドレスフォームに比べキプリスの形状にはメリハリがあり、前、脇、後ろが見て分かるようないわゆる面の形状をしていることが分かりました。

 

そして、このキプリスの凹凸の出方が生徒さんが原型を作る上で苦労されている重要なポイントだなと、メーカーを見比べることで感じました(・・;)

 

それにしても、同じ工業用ボディでもメーカーが違うだけでここまで形に違いがあるんですね、、

ちなみに、ボディは平均値を集約して標準的なものが作られています。

それならなぜ形状にここまで違いが生まれるのかよ思いますが、これについては個人的には作りたい洋服の方向性、ゆとりなどに関する美的な感覚がメーカーごとによって異なるために出る差ではないかと推測します。

 

次回は今回の比較の続きと、ボディの形状の違いが原型のラインにどう影響するのかについて深堀りしたいと思います

 

ではまた!

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ロックミシンカバー作り

皆さんこんにちは、Mです!

 

最近は気温が高く、4月にも関わらず夏日になる日が続いています。桜が散ったらすぐに夏本番です、気合を入れていきましょう!

 

4月に入学された生徒さんも線の引き方やピンの打ち方に苦戦しながらも少しずつ慣れてきているような気がします

最初の課題は分からないことだらけでどこをどう修正したら良いかの判断も難しいかと思いますが、ゆっくりでいいのでその都度必要な知識を確実に身に着けていってほしいと思いますし、こちらとしても分かりやすく丁寧に説明していく所存です(*’▽’)

 

6月入学のお申し込みも受付中です。是非一度見学にお越し下さい!

 

今月は27日まで講習がありますが、その次は5月7日(火)からになりますので、ご見学やお問い合わせの際はご注意ください。

 

新年度ということで修理やメンテナンスを行っていたのですが、今回はロックミシンのカバーを新しく作り直したのでご紹介します!

 

ちなみに、先日再開しました『パタンナーのたまご』でもミシンのメンテナンス等をご紹介しておりますのでよろしければそちらもご覧いただければと思います(^^)/

 

さて、これまで使っていたロックミシンのカバーですが、ロックミシンが入る大きさでシーチングを縫っただけの物だったので、持ち手や耐久性に乏しいと感じていました。そのため、今回は厚手のキャンバス生地で作ることにしました(^^♪

 

 

また今回は持ち手をカバーから出せるだけの穴を見返し始末で空け、フットコントローラーやコードを収納するためのアウトポケットを付けていきます!

始めに上マチと横マチをロック割りで縫い合わせ、ロックミシンをかけた見返しを上マチと中表で縫い、切り込みを入れて表に返して周囲1㎝でステッチを入れます

 

 

 

アウトポケットは立体的でふくらみのある形にしたかったので今回は奥行きのあるポケットを中縫いしましたが、中縫いをするなら角だけではなく全体的に丸みのある形状にしたほうが縫いやすかったかなと思いました。

 

側面、横マチの下部分を三つ折り1.0cmステッチで縫い、側面とマチを中縫いして縫代にロックミシンをかけたら完成です( `ー´)

しかし、今回のアウトポケットの大きさと位置ではフットコントローラーを入れてみると重みが1箇所に集中することで矢印の向きに皺ができ、全体のシルエットが崩れてしまいました…

 

 

と、いうことで、このままでは悔しいのでポケットを作り直してみました!

 

ポケットを大きくし、両脇の切替と一緒に縫い、重さによる型崩れを防ぐためにポケットの底は真下まで続く仕様にしました

 

裾の処理はポケット布と重なる部分は厚み軽減のために出来上がりで裁断した横マチ布をポケット布で包み縫い止め、両脇の三つ折りした側面の布と一緒に縫っています

 

完成です!

実際にフットコントローラーを入れてみると、底に接地させているためシルエットの崩れが最小限に抑えられていると思います(^^)/

ポケットが無駄に多いロックミシンカバーになってしまいましたが、今後使いながら改良するかどうかの判断をしていこうと思います(^o^)

 

ミシンカバー作りは一見簡単に思えるかもしれませんが、シルエットが崩れない仕様や厚みをどのように処理するかを考えることは洋服を作る上で切っても切り離せないと思うので、このような単純な形のもので練習をすることはとても勉強になると感じましたので、ぜひ機会があれば自分の作りたいデザインで洋服以外のものも縫ってみてほしいと思います(*^▽^*)

 

ではまた!

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半袖シャツ柄合わせ

皆さんこんにちは

 

パタンナーズライフ初登場になります、Mと申します。よろしくお願いします!

今月は春らしい陽気と真冬のような寒さが何度も移り変わって体調管理がとても難しくて、暖かい空の下で見る桜が待ち遠しいです(^o^)皆さんも体調に気を付けていきましょう(^^)

 

 

引き続き3月3日(日曜日)から4月期入学生徒の募集スタートします。

また、

同日3月3日(日曜日)に行われる体験セミナーのご予約も受付中です!体験セミナーは東京校のみの開催で、お電話でのご予約お願い致します。

無料体験セミナーのご案内(東京アトリエのみ) | 東京・大阪の現役パタンナーによるアパレルパターン・ソーイング・洋裁教室・学校 (leopera.com)

東京校TEL03-5473-1519

 

 

今回は柄合わせの基本的な考え方をご説明します!

 

柄合わせとは生地が切り替えられている部分で連続する模様が途絶えないように合わせていく技術です。柄合わせする場合は型紙を配置しにくく、余り部分も多く出るため、生地を用意する際は多めに購入しておくことをおすすめします(^^)

 

一口に柄合わせと言ってもアイテムによって合わせる部位の優先順位や縫う時の難易度も変わってくるので、今回は半袖シャツに限定した柄合わせをご紹介します。

 

半袖シャツで柄合わせしておきたい部分は主に①前中心②衿後中心③ポケットの3箇所です。

 

①前中心

前中心はボタンとボタンホールの位置に同じ柄がくるように裁断します。※この時注意したいのはチェックなど横の柄もある生地は高さも合わせなといけない点です。写真では高さが少しずれてしまっていますが(’‥’)

 

②衿後中心

後ろは台衿、羽衿が後中心で合うように裁断します。衿は横地の目やバイアスで取ることも多いので、場合によって合わせられない時もありますが、チェックの場合は横地の目で衿を取っても後中心で合わせることでかなり見え方がきれいに見えると思います。

 

ここで、下のようなチェックの場合、濃いラインと薄いラインのどちらに前中心、後中心を合わせるべきでしょうか。

一般的には薄いラインに中心線を合わせるのが通例です。理由としては濃いラインを中心線に合わせると中心だけ際立って見えるためです。たそのような視覚的な効果を利用することもあるので、どの柄を中心線にするかは好みで決めて良いかと思います。判断が難しい時は実際にボディに当ててみて確認することで仕上がりのイメージがしやすいのでおすすめです(^^♪

 

 

③ポケット

ポケットの柄合わせは最も目立つ箇所なのできっちり柄が合うように裁断、縫製するようにしましょう。

 

チェックの場合はポケットをバイアスで裁断するだけでもかなりデザインが効いてくるので必ず柄を合わせなくてはいけないわけではなく、作りたい服の方向性を決めた上でその都度判断するようにしましょう(^^)

 

 

以上3箇所が柄合わせする際に最低限押さえておきたいポイントです。その他にも脇線や袖でも合わせていく場合もありますが、傾斜した脇線や袖などは柄合わせというより柄の高さを合わせることできれいに見えるので、横の柄がある場合は高さを合わせる、という意識で良いかと思います!

 

柄合わせがきちんとされた洋服は視覚的にも美しく、クオリティの高さも判別しやすいというメリットがあります。そのためチェックやストライプ、その他目立ちやすい柄の生地で洋服を作る場合は出来れば柄合わせをしてほしいですが、手間もかかる上に用尺も柄合わせしない場合に比べるとかなり多くなるため、市場で見かける洋服は柄合わせを無視して作られている物が多いのが現実です。

 

しかし逆に言えば一点物で作る場合はきちんと柄合わせした服を作りやすいとも言えるので、自分用に作る際は街で見かけた時に思わず目に止まってしまうようなきれいに柄の合った洋服をぜひ作ってもらいたいです(*^▽^*)

 

ではまた!

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