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裏地の運動量について~裏打ち編~

皆さんこんにちは

 

 

オペラでは今月、パターン検定3級に向けて、受験される生徒さんが練習を反復する期間となっていました。毎年この3級でパターン検定を締めくくるので、有終の美を飾ってほしいですね!

 

 

 

ここでお知らせです。パターン検定1級を目指している方はすでにご存じかもしれませんが、公式ホームページにて 「実技試験に関する傾向と対策」 が公開されています。

 

内容としては次のようなポイントがまとめられています。

 

・課題デザインとの相違

・構造線の誤り

・パーツ不足

・身頃や袖の未完成

・縫い代処理の欠落


など、採点で特に重視される項目が明確に示されています。

 

また

 

・バストダーツとウエストダーツのバランス

・ビン打ち位置とラインの滑らかさ

・前端や裾の折り返し処理


など、シルエットが崩れやすい典型例と対策が紹介されています。

 

 

さらには1級で合格するための姿勢として、

 

・時間内に作るだけでは不十分

・組み立て後の「見直しと修正」が必須

・完成度の高いトワル提出が求められる


といった、試験に向かう考え方も示されています。

 

 

公式サイトでは、写真付きでより詳しい例が掲載されています。

受験予定の方はぜひ公式ページをチェックしてみてください!!

 

ホームページはこちらから

 

 

 

さて、今回は裏地の考え方についてご紹介したいと思います。

 

 

裏地の運動量について調べてみたくなったので、持っている服などで分かったことをお伝えします!

 

スポーツジャケットのようなものを古着屋で見つけたのですが、裏地はやや伸縮性のある素材を使用していました。

 

 

こちらが身頃のパターンです。

 

まず何が気になったのかというと、裏地と表地が同じパーツになっていた点です。前身頃に関しては全く同じ全面芯の見返しが付き、後ろ身頃、脇身頃は裏打ちの仕様になっており、裾の見返しは表地裏地共に中縫いしていました。キセなどはなかったですが、寸法を確認したら、実際3mmほど長く作られていました。

 

 

ここ裏地の主な役割をまとめると

 

・保温のため

・裏の滑りをよくするため

・表地の形を安定させるため

 

などがあります。

 

そのため摩擦で毛玉になりやすい生地の場合は総裏にしたり、薄い夏物素材の場合は背抜きにしたりと、役割から考えることで、どの仕立てにするかを考えるようにします。

 

ただ、裏地を付ける上で何より注意しなくてはいけないのが、表地と運動量との兼ね合いです。

 

基本的には裏地にはキセを入れます。理由は一般的に裏地は伸縮性がないため、表地の動きについていかないためです。裏地のキセは表地のパターンがタイトになればなるほど必要不可欠になってきます。

 

※ただ、フレアシルエットのように身頃の幅が広いアイテムの場合はキセが不要になる場合もあります。また、表地が全く伸びないときはキセをいれない場合も多いので、必ず必要というわけではない点は注意が必要です

 

 

 

ここで余談ですが、スカートや身頃のウエストダーツの倒し方向ですが、基本的に厚みの分散のために裏地の倒し方向は表地の逆にしているものが多いですが、透ける生地の場合は、表地と同方向にするようにしましょう。

 

 

ただ、裏打ちで仕立てる場合は図のように一緒にタックを取ります。

 

 

次に、裏地のふらしと裏打ちについて、トップスやスカート全般で共通する考え方をご説明します。

 

 

 

例えば写真のような脇の切り替えで考えると、ふらしは図のような状態で、数ミリのキセが入ります。

 

 

対して裏打ちは先ほどのタックのように表と一緒に縫いこむ仕様になります。裏打ちは裏地のゆとりは入れない場合も多いので、伸縮性のある素材を裏地に使うのがおすすめです。ただ、裏打ちにする理由として、運動量というよりは表地の保形や強度を上げるなどの目的のほうが強い気がします、、

 

今回参考にしたジャケットの仕様は前身頃の形と全く同じ見返しパーツが付き、脇身頃、後身頃はそのまま裏地と一緒に縫い合わせて袋縫いという仕様になっています。

 

 

裏地は縦方向に3mmほどのゆとりが入っており、表地と縫い合わせる際に少しいせて縫われています。

 

 

これは、裏地自体が横方向に伸びるものの縦方向の伸縮性がなかったためです。一方、横方向には十分伸びてくれ、運動量的には問題ないため、切り替え線上でのキセは入れていなかったです。

 

 

実際の縫い方を簡単にご紹介すると

 

 

まず地縫いの前に表地と裏地を各パーツ仮止めします。この時、後ろと脇の切り替え部分は袋縫いするので捨てミシンを入れますが、ややいせ気味に縫います。

 

 

 

 

前身頃だけは全面見返しになるので、前脇は中縫いして表と裏で包み、裾と肩線が中縫いされ、前端はバイアステープで包むという仕様になっていました。

 

 

少し変な仕様ではありますが、実際に縫ってみて感じたことは、身頃は前も後ろも全面芯にしていたことを考えると、裏打ちにしていた理由はやはり型崩れを防ぐためではないかと思います。また、袋縫いにしているのもきれいな形を保ったまま、ある程度の丈夫さがほしいという、スポーツジャケットならではの考え方ではないかと思います。

 

 

このあたりはよく考えられているなと感心しました。

 

まとめとしてはこのような仕様(後ろ・脇身頃裏打ち、袋縫い、前身頃と前見返し共通パーツ)のメリットは

 

・裏地を表地と同じ扱いで考える(キセなどは考えない)ので縫製が楽

・表地と裏地が一緒に縫われ、また袋縫いにすることで表地を裏側から支える役割になる。

 

などがあります。ただ、デメリットとしては、

 

・裏地がくっついていることになるのでゆとりが適切でないと表地がすぐにつってしまう

・薄い表地の場合、裏地の縫い代やゆとりが表側にも響く

 

といったところではないかと思います。

 

そのため、今回のように伸縮性のある素材を裏地にしつつ、それが響かない表地にするという生地選択がきちんとできると、簡単で形が安定した裏付きジャケットを縫うことができるので、皆さんもぜひこの仕様を日々の服作りにも取り入れてみてください!

 

ではまた!!

 

 

 

 

 

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