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2020 年 10月 23 日 – パタンナーズライフ

オランダトレーニングジャケット③

雨が続きますね :-|

洗濯物を干せないので極力ポリエステル系の乾きやすい素材の服を着ています。

ポリエステル系素材のやっかいなところはアイロンがかけにくいところと、暑いときはものすごく蒸れるところですね。

なので体温調節しやすい前開きの服しか着ることができないです :cry: 最近セーター、スウェットもだめですね・・快適さを追求すると開きが欲しい・・

 

 

さて新規の方も入られて、パターンの細かさに皆さん驚かれているところです 8-O

最初に細かく丁寧にやっておかないといい加減なものが出来てしまいますからね。

凄く綺麗な服は絶対に細やかさが必要です。

皆さん一緒に乗り越えましょう ;-)

 

 

 

では、そんな細かい(マニアック)なお話を

トレーニングジャケットの続きです。

表生地はコットンナイロンでやってみることにしました。

コットンが入っているので通気性はよくナイロンで非常に丈夫という生地です。

ちまたにはあまり売られていないので、ネットショップで購入してみました。セール品ですが、かなりいい生地です。

裏はまたカットソーの生地でやってみたく、Tシャツと同じ天竺で、「シルク混」でやってみました。少しシワになりやすいですが、肌触りはすごくいいです :lol: かなり伸びます・・

 

縫製前に色々試してみましたが・・布帛とカットソー生地の切替部分の縫い縮み、ズレは絶対出るなと思い、少し工夫してみることにしました。

ちなみにカットソー同士は伸びなければならないので、ウーリーロックで縫製しています。

 

カットソー同士はいいんですが、、、

 

 

表地と縫い合わせる際にものすごくズレました・・・ :cry: 5cmくらい縫っただけで0.5cmはズレましたね・・・

 

なので表と縫う位置に伸び止めを貼って縫いずれ防止しました。少しだけ伸びるタイプの伸び止めです。工場さんでは、ミシンの設備的に必要ないかもしれません(アタッチメントなどで)

家庭用では縫いずれ防止にはまず伸び止めを貼って、様子を見ると良いかなと思います。

端がカールしてしまうのも防止できて一石二鳥でした :-P

 

 

 

・・で今回一番やってみたかった事です。

袖口の仕様がこんな感じでした↓

 

 

謎の当て布です 8-O

イタリアのブルゾンで見たことありますが、ほとんど無いですね。

 

さっそくなぜやるのか検証です。

ゴムを袖口カフスの間に挟んで、裁ち端を合わせてゴムおさえステッチを入れます。

ゴムが短いので引っ張られますね。

それを無理やり伸ばした状態で3本ゴムもカフスも貫通ステッチをいれます。

・・・縫いやすい!

まっすぐに引っ張るだけでいいので縫製はしやすいです。この縫製がしやすいというのが、ゴムを扱う上で非常に大事でステッチの綺麗さに影響します。

まっすぐ縫った裁ち端を突き合わせ(重ねない)にして

 

2c巾の布でくるみます。

 

凄くラクで綺麗に袖口を縫う事が出来ました。

1パーツ増えてしまいますが縫製は非常にしやすいのですごくオススメです。ゴムは全部これでいきたいぐらいです。

 

あとは裏地と一緒にぐるり縫うだけです。

↑完成

これが、「あとでゴムを入れて筒状で縫う」となると袖口が小さいので非常に難しいですし、ステッチ巾が安定しません。

簡単且つ厚みも軽減出来てよく出来た仕様だなあと感心です。

 

 

 

他はさほど難しいところはなかったですが、ドルマンスリーブでよくあるのが鎌底が吊って引っ張られてしまう問題です。今回は裏地がついているので普通に切込ました。

↑切り込んだのでかなり軽減出来ています。

 

 

あとは裾のゴムです。ここも袖口と似たような縫い方はできますが、距離も長く縫いにくいという事はないので、「あとでゴムを入れて貫通ステッチをいれる」というやり方にしました。

ゴムは本当に縫製工程(順番)で縫いやすさが極端に変わるので縫う前に「縫いやすい仕様か」を考えると、「簡単=綺麗になりやすい」になります。

 

袖口の仕様は是非お試しあれ ;-)

 

では次回完成です。どんでん口をちょっと変わった箇所にしてみました。

 

 

 

 

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